【アイスホッケー】五輪最終予選、日本0勝3敗。 ③榛澤力(HLアニャン)
「変わってほしいとは思っていても、 変わらないのが現状なんです」
アジアリーグが始まって榛澤のプレーを見ていると、気持ちの上で吹っ切れたものを感じる。日本のFWの中でも目に見えて伸びているし、覚悟を決めてプレーしているように思えるのだ。 「五輪予選は3試合とも、絶対に勝てないと思う瞬間はなかったんです。でも、点差は僅差なのに、バトルとか、スピードに乗って攻めている時とか、相手のスマートな部分を感じた。それが、トップディビジョンにいるチームとは違うのかな、と」 「たらればになっちゃうけど、もうちょっと準備期間があれば…とは思います。思いますけど、まず自分たちが勝つことで、アイスホッケーを変えないと…という部分は選手の共通理解としてあったんですよ。日本のホッケーが変わってほしいとは思っていても、変わらないのが現状です。未来が変わるには、やっぱり僕らが勝つことが第一歩ですから」 アニャンのFWの中で、榛澤が「チーム・ナンバーワン」のものがある。それはシュートの数だ。 「決めが課題ですが、シュートの数は自分でも意識しているんです」 強いチームのアイデンティティ。それを学ぶには、アニャンというチームは榛澤にとってこれ以上ない環境だ。 期待しても変わらないなら、自分たちで変えていけばいい。榛澤のワクワクは、自身のプレーにも向けられている。 榛澤力 はんざわ・ちから HLアニャン・FW。2001年7月12日生まれ。167センチ、65キロ。背番号「42」。北海道清水町出身。御影小1年でアイスホッケーを始め、御影中、清水高2年の途中まで日本でプレー。スウェーデン・ファールンU18に加入して1つ目で活躍、その後はファールンU20、アメリカに渡ってUSHLトリシティズ、NAHLミネソタ、NCDCサウスショアを経てNCAA1部のサクレッドハート大学へ。今年の夏、HLアニャンと契約する。日本代表はU18が2回、U20が2回、フル代表には2023年、2024年と2回選ばれている。「実は辛いものがあまり得意ではないんです。練習の日は、リンク周りの食堂に行っていますが、サムギョプサル、カレー、スンデクが多いですね。スンデクは豚の腸にいろんな食材を詰める料理で、日本の人は遠慮しがちなんですけど、僕は好きです」
山口真一