馬上の妙技 外国人観光客も拍手 武雄神社で流鏑馬奉納
830年以上の伝統を持つ「武雄の流鏑馬(やぶさめ)」が23日、武雄市の武雄神社前の参道馬場で奉納された。疾走する馬から矢を放って的を射る妙技に、見守った市民や外国人観光客から盛んな拍手が送られた。 全長255メートルの馬場には三つの的が置かれ、6人の射手が順番に馬から矢を放った。8年連続で一の矢の射手を務めた嬉野市の大曲祐一さん(38)は「2本が命中し、最後の1本は力が入り過ぎて外してしまった」と反省しつつも、「若い射手と切磋琢磨(せっさたくま)しながら技を磨いていきたい」と表情を引き締めた。 奉納の前後には、鎌倉時代の衣装を身に着けた関係者が市内を練り歩く「上り馬」「下り馬」もあった。武雄流鏑馬保存会の谷口優会長(77)は「秋らしい天候の中、素晴らしい奉納だった。外国人観光客も増えており、今後も日本が誇る伝統文化の継承に努めたい」と話した。 武雄の流鏑馬は、武雄神社に平家討伐を祈願した源頼朝が1186(文治2)年、戦勝のお礼で使者を赴かせた際に、武雄領主が奉納したことが始まりとされる。(澤登滋)
澤登滋