次の大学入学共通テストに新教科「情報」追加!受験勉強はどうすればいい?
国公立大学志望者でも、「情報」対策は共通テスト対策で十分
では、国公立大学の個別試験で「情報」を出題する大学はあるのでしょうか。2023年11月20日の段階で、個別試験で「情報」を必須とする大学は、広島市立大学情報科学部後期のみ確認できています。 その他の個別試験では、電気通信大学の前期、高知大学理工学部情報科学科の情報・物理受験(前期)で選択科目として実施されることが目につく程度です。選択科目ですから、「情報」に強くなければ電気通信大学や高知大学の受験に不利になるということはないでしょう。つまり、国公立大学志望者でも、「情報」の対策は、共通テスト対策に限られると言ってよいのです。
国公立大学入試での「情報」のウエイトは低い
難関大学であればあるほど、多くの受験生が合否ボーダーラインに集中します。受験では1点を競う争いが繰り広げられるものの、一般的に2025年度入試での「情報」の重みはさほど大きくありません。 共通テストの問題の配点(満点)は、国立大学一般選抜では基本的に1,000点満点となります。図のように「情報」は1,000点の中の100点、つまり10%を占めており、決して小さい配点ではないように思えます。しかし、大学学部は教科ごとに共通テストの配点を変えることができるのです。 京都大学教育学部(理系)の場合は、共通テスト1,000点満点が、265点満点に圧縮されます。その圧縮率は各教科一律ではなく、教科により異なっています。 さらに、国公立大学のほとんどは、共通テストに加えて個別試験を課します。京都大学教育学部(理系)の場合は、合格者を決定する合計点での配点比率が20%を超えるのは「数学」「外国語」、次いで「国語」です。これに比べて「情報」は1.6%と、ウエイトが非常に小さいことがわかります。 主な国立大学の、前期日程の合計点に対する「情報」の割合は表のようになっています。学部・学科により割合が異なりますので、最大・最小のものを示しました。 最も配点ウエイトが高かったのは京都大学経済学部(文系)の5.88%、最も低いのが大阪大学経済学部B配点の0.5%です。このように、国公立大学入試での「情報」のウエイトは決して高くないのです。 なお、北海道大学は2025年度入試で共通テスト「情報」受験が必須ですが、配点しないことを発表しています(合格者決定の際、同点の場合に「情報」の成績を活用する)。東京工業大学は共通テストの成績については、第1段階選抜のみに使用するため「-」としています。