「3年計画」から4年半…浦和で発生した異例事態、現場&強化中核OUTでヘグモ体制は何処へ?【コラム】
7月8日に開く登録ウインドーでどれだけ成果を挙げられるか
そうしたチームの中で副キャプテンに任命されたGK西川周作や、今季に再加入したDF宇賀神友弥といった浦和の歴史を知るベテランたちがチームを引き締める役割を担う必要が生まれる面はあるだろう。しかし、若手が増えたことによる躍動感や、磐田戦で見せたようなプレスの強度を維持する運動量に期待が持てるというメリットも存在する。 また、強化の動きという点では酒井とショルツが抜け、大畑がパリ五輪メンバー選出の場合、大会期間中に不在となる最終ライン、特にサイドバックは残りのシーズンで試合がリーグ戦のみという状況の中でも手を打つ必要があると感じられる。ショルツとソルバッケンの退団により、提携国のタイ代表MFエカニット・パンヤを除く外国籍選手も4人となり、枠が1つできた。 堀之内SDは主力の退団にあたっての声明の中で「来年に控えたクラブワールドカップで世界の強豪クラブに対して堂々と渡り合えるチームを作り、ファン・サポーターのみなさまに誇りに思っていただけるような闘いをお見せするその日から逆算して、闘い方の積み上げを図りながら愚直にチーム作りを継続するというクラブの取り組みに迷いはありません」と宣言している。7月8日に開く登録ウインドーでは、新たな強化責任者を中心にした動きがどれだけ成果を挙げられるのかという視点でも見られることになる。 昨季終了から6月末までにクラブの中心だった人物が一気にその場を離れたことは大きな驚きであり、異例という表現になるだろう。しかし、浦和は2019年末に強化体制を一新して、就任した土田SDと西野TDが「3年計画」を打ち出して大きく変革した。それから4年半が経ち、この6月末は次の大きな転換点になりそうな気配を見せている。ここからの浦和がどのようにブラッシュアップされていくのか注目されるところだ。
轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada