BAD HOPの「解散ライブマーケティング」は何がすごかった? SNS専門家が解説
今回は、筆者が敬愛する、BAD HOPの東京ドームでの解散ライブをSNSマーケティングの視点から論じてみたいと思います。 【画像】解散したBAD HOP 若年層を中心に人気を博し、2010年代後半以降の日本のHipHopシーンを代表する存在となったBAD HOP。双子のT-PablowとYZERRを中心に2014年に神奈川県川崎市で結成され、Tiji Jojo、Benjazzy、Yellow Pato、G-k.i.d、Vingo、Barkといった個性的なメンバーからなる8人ユニットです。 惜しまれつつも、2024年2月19日に開催された『BAD HOP THE FINAL at TOKYO DOME』をもって解散してしまいましたが、その輝かしい功績は今後も日本のHipHop史に残る金字塔として語られ続けるでしょう。
解散マーケの裏に、舌を巻くSNS活用
彼らは日本のHipHopアーティストとして、さまざまな偉業を成し遂げました。大手レーベルの楽曲プロモーションなどがない中でのチャート上位達成、HipHopフェスのヘッドライナー、数々のメディア出演に加えてApple Musicとのタイアップ番組制作、そして先述の東京ドームライブなど、多岐に渡ります。 しかし、そんな人気絶頂の彼らでさえ、東京ドーム公演は賭けだったようです。だからこそ、公演成功のためにも「解散」という注目度がスパイクする瞬間を味方につける必要があったのだと思います。 タイトルの「解散ライブマーケティング」には、その過程において日本全体を巻き込むほどのポジティブで大きなモメンタム(勢い・熱気)を生んだ彼らのアイデアへの筆者なりの賛辞を込めました。 本稿では、日本のHipHopアーティストとしては初となる単独東京ドームコンサートを実現するに至るまでの軌跡と、その実現にSNSがいかに有効に機能したかを考察します。 いわゆるビジネスメディアやマーケティング界隈では正面切って採り上げられることが少ないテーマかもしれませんが、広くマーケティングに関心を持つ読者に有益な示唆となるでしょう。