自営業の夫が死亡しても、52歳の妻の「遺族年金」はまさかの“ゼロ円”!? 保険料を払っていたのになぜ? その理由を解説
年金というと老後に受け取るものというイメージを持っている人が多いかもしれませんが、公的年金が支給される事由としては、「老齢」「障害」「遺族」の3つがあります。中でも「遺族年金」は、国民年金または厚生年金に加入している人が亡くなった時に、その人に生計を維持されている遺族が受け取る年金です。 ただし、遺族年金には支給要件があるため、要件を満たしていない場合には受け取ることはできません。詳しく見ていきましょう。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
自営業者が加入する年金は「国民年金」
日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てです。会社員や公務員は国民年金と厚生年金に加入し、毎月の保険料も両方について支払っています。 一方、自営業者は学生などと同様に国民年金のみに加入しています。そのため、自営業者がもらえる年金は、老後にもらえる「老齢基礎年金」、障害を負った場合にもらえる「障害基礎年金」、亡くなった場合に遺族が受け取れる「遺族基礎年金」の3つです。 なお、年金は原則として1人1年金です。つまり、基本的には自営業者(またはその遺族)が受け取れる年金は、「老齢基礎年金」、「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」のいずれかになります。
遺族基礎年金の支給要件
自営業者の夫が亡くなった場合、残された妻は遺族基礎年金を必ずもらえるかというと、そうではありません。遺族基礎年金を受け取るには、亡くなった人と、遺族基礎年金を受け取る人がそれぞれ所定の要件を満たす必要があります。 亡くなった人に関する遺族基礎年金の受給要件としては、これまでの国民年金の加入期間に対して保険料納付済期間が少ない場合などは要件を満たさないので注意が必要です。 続いて、遺族基礎年金を受け取る人に関する要件です。遺族基礎年金とは、亡くなった人に生計を維持されていた18歳未満の子どもがいる配偶者、または18歳未満の子どもに支給される年金です。なお、子どもが障害等級の1級または2級の場合、年齢の制限は20歳未満です。 つまり、52歳の妻に子どもがいなかったり、いてもこれらの年齢条件を満たしていなかったりした場合は、遺族基礎年金は受け取れません。