おさかなソーセージのニッスイ戦前に起源 冷凍食品でなじみ【経済トレンド】
水産大手。資本家の田村市郎(たむら・いちろう)が1911年、山口県下関市に田村汽船漁業部を創業したのが始まりだ。漁網を引いて魚を取るトロール船、湊丸を英国で建造し、責任者として招いた国司浩助(くにし・こうすけ)に事業の運営を任せた。欧州で最新の漁業を学んだ国司は水産業の近代化を掲げ、加工技術の開発、流通網の整備に尽力した。(共同通信=出井隆裕記者) 田村汽船漁業部はその後、共同漁業となり、1937年には日本水産に社名を改めた。この間、漁獲量向上のため船に無線装置やディーゼルエンジンを導入。陸上ではちくわなどの加工食品を生産、全国各地に冷蔵倉庫網を整備し、水産業のビジネスモデルを確立した。 太平洋戦争後に福岡県の工場で魚肉ソーセージの開発に着手し、1950年代にマグロを使った商品の量産を始めた。その後は原料をスケトウダラに変更し、現在は「おさかなのソーセージ」という商品名で販売する。
一般消費者には冷凍食品メーカーとしてもなじみが深い。「焼きおにぎり」「ちゃんぽん」などがヒットし、スーパーにはたくさんの同社の商品が並ぶ。