テリー・ファンクが兄ドリー・ファンクJrと禁断の兄弟対決【週刊プロレス昔話】
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1981年4月、ジャイアント馬場率いる全日本プロレスマットで力道山時代から日本の至宝とあがめられた伝統のインターナショナル王座が復活。新王者を決めるトーナメントでドリー・ファンクJrと超獣ブルーザー・ブロディが勝ち上がったが、ブロディがケガのため4月30日の決勝戦(千葉・松戸)を棄権。当日、ドリーが復活王者に認定されると共に、急きょ、クジ引きで挑戦者を決めて、初防衛戦がおこなわれることになった。 挑戦者の「当たりクジ」を引いたのは、なんとドリーの弟テリー・ファンク。ドリーとテリーは新人時代に地元アマリロでタッグ対決したことはあったが、シングル対決は正真正銘の初。禁断の兄弟一騎打ちが実現した。 ともに“世界最高峰”NWA世界ヘビー級王者に就いた経験を持つ2人は、54分にわたって白熱のテクニック合戦を展開。ドリーがテリーに非情のエルボーを叩き込み、テリーがスピニング・トーホールドでドリーを締め上げる場面も。 最後はドリーが一瞬のエビ固めで兄の沽券を保った。日本のファンは最初で最後の貴重な兄弟対決を目撃する幸運を得た。
週刊プロレス編集部