母の死亡を届けずに遺体放置、年金詐取した兄弟に有罪判決「利欲的で身勝手」…被害弁償と反省示し執行猶予
同居する実母の死亡を届け出ずに遺体を自宅に放置し、年金を詐取したとして、死体遺棄と詐欺の罪に問われた山口県周防大島町の無職の被告(50)と弟の被告(45)に対し、山口地裁岩国支部は5日、それぞれに懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・それぞれ懲役2年6月)の有罪判決を言い渡した。
判決によると、2人は共謀し、自宅で死亡していた実母(当時77歳)の遺体を今年3月頃から7月まで放置して遺棄。6月、実母の老齢基礎年金など14万1995円を口座に振り込ませてだまし取った。
佐野東吾裁判官は「年金がなければ生活できないという理由で犯行に及んでおり、利欲的で身勝手」と述べた。一方で、詐欺の被害は全額弁償され、2人が反省の態度を示していることなどを執行猶予の理由とした。