『ワイルドアームズ 2nd イグニッション』25周年。“英雄なんていらないッ!!”。激アツなストーリーやすばらしい音楽が忘れられない傑作RPG【今日は何の日?】
"英雄"の在りかたを問うシナリオがすばらしい 1999年(平成11年)9月2日は、プレイステーション(PS)で『ワイルドアームズ 2nd イグニッション』が発売された日。本日で発売から25周年の節目を迎えました。 【記事の画像(4枚)を見る】 ファンタジーと西部劇を掛け合わせたような世界観が特徴的の『ワイルドアームズ』シリーズの2作目。“ファルガイア”という前作と同じ名前の舞台での物語が描かれますが、本作は“英雄”という存在にスポットが当たっており、ストーリーやキャラクターは別物。また、前作に比べると鉄道が存在していたり科学の発達していたりする世界でした。特撮やヒーローアニメ、ロボットアニメのパロディが多いのも特徴で、とくにボス戦に入るまえの演出や解説は某特撮作品を彷彿とさせられてニヤニヤできました。 さらに、本作がすばらしいのは、作曲家のなるけみちこ氏と歌手の麻生かほ里さんのタッグや、音楽グループのゴスペラーズによるボーカル曲。Disc1のOP『WILDARMS 2nd IGNITION~どんなときでも、ひとりじゃない~』やDisc2のOP『Resistance Line』、中断デモの『夜空』、『奇跡』、エンディング曲の『Zephyrs’s』など名曲ばかり。Production I.Gが制作するアニメーションのクオリティも高く、何度も観たくなる魅力があります。ラストバトルで流れる『バトル・VSロードブレイザー』が『WILDARMS 2nd IGNITION~どんなときでも、ひとりじゃない~』のメロディをアレンジしたものだったのもいい演出でした。 本作は、正義感が強く英雄に憧れている主人公アシュレー・ウィンチェスターが、テロリスト集団“オデッサ”に対抗するARMSの一員となり、旅の中で英雄の答えを見つけていく物語。アシュレーは、とある事件によって焔の災厄“ロードブレイザー”をその身に宿すことになりますが、その力で聖剣“アガートラーム”を引き抜き、ロードブレイザーの意識の大半を封印することに成功します。一方でロードブレイザーの力をわずかながら使うことができるようになり、「アクセスッ!」の言葉とともに魔人“ナイトブレイザー”へと変身することが可能に。 物語の中盤ではアシュレーが激しい怒りによってロードブレイザーの力が増大。“オーバーナイトブレイザー”へと進化しました。能力は段違いに上昇したものの、“大切なモノを奪い取る忌まわしき力”と称されるものでした。 アシュレー以外にも多数のキャラクターが登場しますが、どれも“英雄”に関連した人物ばかりでテーマが一貫していました。天才の姉に代わって戦うことになったリルカ・エレニアックや、革命軍の英雄と呼ばれていたものの戦犯として捕らえられたブラッド・エヴァンスなど、どれも自分の存在や正義に迷う者たちばかりで、答えを見つけていくまでのストーリーに引き込まれます。とくに、かつて聖剣を引き抜いて世界を救ったアナスタシア・ルン・ヴァレリアの過去や使命が明らかになるエピソードは必見。“英雄”とは何なのかを考えさせるものになっています。 システム的には謎解き重視のRPG。各キャラクターがダンジョン進行に役立つ“グッズ”を持っており、このグッズを使って道を切り拓いていく仕組み。敵とのエンカウントを任意で回避できるエンカウントキャンセルも搭載されており、ストレスフリーで遊ぶことができました。 現在はPS Plusのクラシックカタログで配信されており、"PlayStation Plus プレミアム"に加入すればプレイできます。不朽の名作なので、まだ遊んだことがない人はぜひ!