サッカーW杯予選で北朝鮮が「ドタキャン」 日本の“悪性伝染病”警戒?【#みんなのギモン】
■「なでしこジャパン」で以前も中止に
小野解説委員 「平壌の市民もきっと楽しみにしていたと思うんですよ。実際、北朝鮮ではサッカーは国民的な人気が高く、過去にはワールドカップの出場経験もあります。ただサッカーの北朝鮮での試合をめぐっては、前にも中止になったことがありました」 「女子日本代表のなでしこジャパンは2月、パリオリンピック出場をかけて北朝鮮と平壌で予選を行う予定でした。ところがアジアサッカー連盟が『競技運営周りに不透明なことが多い』などとして中立地(日本でも北朝鮮でもない地域)での開催を提案しました」 「急きょ開催地が未定となり、試合の3日前にサウジアラビアでの開催が決まったということがありました」 藤井貴彦アナウンサー 「だいたい代表合宿というのは試合前に数日、しっかりと時間をとって行われるんですが、暑さ対策や寒さ対策に時間をかなり要するんですよ。3日前にサウジアラビアで開催決定と言われても、気候やキックオフ時間によって調整スケジュールがガラッと変わってしまいます」 「選手にとってもケガのリスクが高くなりますし、どこでプレーをするか選手はずっとイメージを膨らませていますので、これがいったんゼロになってしまうのは選手にとっても厳しいと思いますね」
■労働新聞「感染経路がコロナと類似」
小野解説委員 「北朝鮮も、選手への影響は分かっているはずなんですよ。そのため『駆け引きじゃないか』『意図があるんじゃないか』とみる人もいたぐらいです。ではなぜ今回、北朝鮮側から開催地の変更を申し出てきたのか」 「21日の北朝鮮の労働新聞は、日本で開催地の変更が伝えられる前に、『日本で悪性伝染病が急速に広まっている』と報じました。また『感染経路が(新型)コロナ(ウイルス)と類似している』とも伝えています」
■劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは
小野解説委員 「外務省関係者によると、北朝鮮側が主張する伝染病とは、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を指すといいます。この感染症は溶連菌の感染により、全員ではないですがまれに発症します。発熱などの症状が出た後、数十時間以内に身体の壊死などを引き起こす病気です」 「30歳以上で多くみられ、致死率は約30%と高いのが特徴です。去年の日本国内の感染者数は941人で過去最多でした。今年(速報値)はまだ3月ですが517人と、既に去年の半数を超えている状態です」 鈴江アナウンサー 「確かに心配ではあるんですけれども、北朝鮮が急きょ国際試合をキャンセルするほどの警戒感は、今、日本国内で暮らしていて感じていません。そこに温度差があるのかなと感じますし、なぜ温度差が生まれるのか疑問です」