「バッターに向かっていけた」巨人ドラ1西舘リーグ単独トップ9ホールド プロ初登板から9戦連続無失点
◆JERA セ・リーグ 広島0―0巨人=延長12回=(19日・マツダスタジアム) 真っ赤に染まるマツダスタジアムの歓声にも負けず、西舘は表情ひとつ変えず、役目を終えて静かにマウンドを降りた。同点で迎えた延長10回、4番手でマウンドへ上がった。先頭の田村を138キロカットボールで一ゴロ。矢野を147キロ直球で見逃しの3球三振。代打・上本を136キロカットボールで遊ゴロに仕留めた。「連投だったんですけど、疲れもなかった。ある程度制球もできたのでよかった」と涼しい顔。1回14球で打者3人を封じ、プロ初登板から9戦連続無失点、リーグ単独トップの9ホールドと抜群の安定感を誇る。 【動画】G球場で調整する西舘 強烈な球筋 慣れない球場でも平常心を保ち、腕を振った。マウンドで顔色が変わらない右腕だが「いつも緊張しっぱなしです」と実は日々ドキドキしながら出番を待つ。それでも「ブルペンで準備不足にならないようにだけしているので」と自分を信じて堂々とマウンドに上がった。初めてのマツダのマウンドは「投げにくさは感じなかった。ただ、周りを見たら赤一色だなって…」と圧倒されたが、独特の雰囲気や初めてのマウンドに即時に対応。高い集中力で打者を封じた。 セ新人の連続ホールド記録となる12年の田島(中日)の10試合連続に王手をかけ、球団新人最多ホールド記録となる12年の高木京介の10ホールドまで早くもあと1つに迫った。「広島の応援の一体感もすごかったんですけど、目の前のバッター一人ひとりに向かっていけた」と背番号17。ポーカーフェースの仕事人は、今後も役目を全うする。(水上 智恵)
報知新聞社