自民“前裏金議員”亀岡偉民氏 現金バラ巻き失笑釈明とお家事情…公選法違反で年内立件へ
長年にわたり、裏金づくりに精を出してきた自民党旧安倍派に対する包囲網が着実に狭まっている。公選法違反疑惑が浮上する「裏金議員」をめぐり、捜査当局が近く立件する方針だと報じられた。渦中の人物は、10月の総選挙で6選を逃した亀岡偉民前衆院議員(福島1区)。348万円の裏金づくり判明に加え、選挙区内で現金を配り歩いた疑いをもたれている。 当局の動きを報じたのは、福島民報(22日付朝刊)。亀岡氏は公選法違反(寄付の禁止)容疑で書類送検、略式起訴される見通しだという。 「県警は11月に亀岡氏の事務所など関係先をガサ入れ。出入金帳簿や選挙関連資料、携帯電話などを押収した。24日で臨時国会が閉会したので、年内にも立件するとみられています」(地元メディア関係者) 罰金刑以上が確定した場合は、公民権が最長5年間停止され、その期間は立候補できなくなる。旧安倍派では、堀井学元衆院議員の有罪が9月に確定。裏金づくりや選挙区内の有権者への香典配布により、政治資金規正法違反(虚偽記入)と公選法違反(寄付の禁止)で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を食らっていた。 翻って亀岡氏も悪質だ。民報によると、10月に地元で行われた複数の祭礼に顔を出し、関係団体に現金1万円程度ずつ配布。会員ではないのに「会費」名目で現金を封筒に入れて渡したとされる。振るっているのが、亀岡氏の釈明だ。文化・芸術振興のため有志で約20年前に始めた基金からの拠出だと強調し、「管理していた人の遺志を引き継ぎ、届けているだけで問題はない」と強弁したという。仮にそうだとしても、微妙な時期に手渡しはない。 亀岡氏は落選まで党県連会長を務めていた。 ■支部長争いが激化 「子供じみた言い訳に県連内でも失笑が漏れていますが、この一件は衆院選挙区の支部長争いとは無縁ではありません。『10増10減』のあおりで県内は1減。選挙区で連敗中の亀岡氏は1区に居座ろうとし、2区は根本匠元厚労相の長男が世襲した。3区は裏金による非公認で落選した上杉謙太郎元議員がしがみつき、4区は新人が当選。国政進出を狙う地方議員からすれば空席が出ない。そうした中、亀岡氏の露骨な動きを目撃した関係者が当局にチクり、動かぬ証拠を提出したようです」(地元政界関係者) 旧安倍派をめぐっては、東京地検特捜部が「5人衆」の萩生田光一元政調会長が8月まで会長を務めた党都連や、都議会自民の裏金づくりを捜査している。ここらへんで巨悪を一掃しなければ、庶民の留飲は下がらない。 ◇ ◇ ◇ 亀岡氏の本件について先んじて報じたのは、福島民友の電子版(6日配信)。一連の流れほか●関連記事『【もっと読む】自民裏金議員にまた公選法違反疑惑…福島地盤元職の関係先が家宅捜索されたと地元紙スッパ抜く』で詳報している。