伊原六花「私が持っているものはすごく少ない」 稽古場でとことん相手を見つめる理由
■頭の先から足の先まで見える 舞台の醍醐味を、こう語った。 「映像作品は顔のアップが多かったり、演技の間にも編集が入りますが、舞台はお客さまには、頭の先から足の先まですべてが見える。たとえば、顔は無表情でも、足を動かしているだけで『イラついているな』と表現できる。全身で表現するのが舞台の面白さだし、難しさでもあるなと思っています。 今回は、間も長すぎると思うくらいでもいいから、一度、心が通るやり方でやらせていただいたので、やりやすかったですが、お話として何かが起こるわけではないから、あんばいが難しい。それを探すのがすごく楽しかったです」 ■悔しい思いたくさんしてきた 高校生の頃から、0から1を作り上げるエネルギーのなかにいた。その事実は、いまの自分を作る大きな要素だという。 「部活をやっていくなかで、悔しい思いもたくさんしてきました。そのたびに『次、頑張ってみよう』と思って頑張ってみると、ちゃんと見てくれている人がいて、頑張れば頑張るほど結果がついてくる、ということを高校時代に体験することができた。だから、いまも『先が見えないな』と思っても、『いやいや、頑張れば何かが巡ってくることってこれまでもあったのだから、もう少し頑張ってみよう』と考えられているところはすごくあるな、と思います」 (構成 ライター 古谷ゆう子) 伊原六花(いはら・りっか)/1999年6月生まれ、大阪府出身。4歳からバレエを始める。2008年から子どもミュージカルに参加。所属する大阪府立登美丘高校ダンス部は「日本高校ダンス部選手権」で優勝。主な舞台出演作に「友達」「ロミオ&ジュリエット」(21年)、「台風23号」(24年)など。12月13日に公開となる映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』に出演する。
古谷ゆう子