「闇バイトに応募」相談急増 応募してしまう深刻な背景とは?過去に逮捕の男性を直撃
All Nippon NewsNetwork(ANN)
「闇バイトに応募し、脅されている」首都圏で、強盗事件が相次ぐ一方で、そういった相談が今、急増しています。そもそも、なぜ彼らは闇バイトに応募してしまったのか?私たちの取材で、深刻な背景がみえてきました(11月9日OAサタデーステーション) ■「闇バイト応募」相談急増の実態 日本駆け込み寺 田中芳秀 事務局長(8日 新宿・歌舞伎町) 「相談受けた駆け込み寺の田中です、来る?」 相談者 「もうすぐ着きます」 日本駆け込み寺 田中芳秀 事務局長(8日 新宿・歌舞伎町) 「気を付けて来て下さい」 闇バイトをはじめ、様々な問題の相談を受けている新宿の駆け込み寺。今まさに、闇バイトで脅されているという男性が相談に来るといいます。実はいま、急増しているという闇バイト関連の相談。 日本駆け込み寺 田中芳秀 事務局長(8日 新宿・歌舞伎町) 「1週間で大体10件前後は来ていますね(犯行グループと)安易につながったことによって なんとかしてやめたいんだけれども、どうすればいいですかという相談がまずありますね」 相談や歌舞伎町などの見回りで見えてくるのが“闇バイトの新たなルート” 日本駆け込み寺 田中芳秀 事務局長(8日 新宿・歌舞伎町) 「ホストに通う女性が性風俗産業に働かざるを得ない状況になっている、拒否する場合は、僕の相談者さんの中では特殊詐欺の方に加担していっている」 相談者の中には、金の回収役などに手を染めてしまう人もいるといいます。8月以降、首都圏で相次ぐ強盗事件。これまでに18件起きていて「実行役」など40人が逮捕されています。ただ、「指示役」の逮捕には至っていません。 その闇バイトをめぐり、新たな動きがありました。「闇バイトに応募して怖くなった」など、全国の警察で保護された事例が46件に上り、そのうち10代と20代が半数以上を占めていることが分かりました。 ■再び“強盗未遂”か 横浜市の住宅で玄関のドアが壊される事件 一方で、横浜市の住宅街では7日も… 報告・手塚慶二朗ディレクター(9日 横浜市) 「何者かが玄関のドアをこじ開けようとする事件が起きました」 バールのようなもので壊されたドア。その一部は、歪んでしまっています。住民が家の中から声をかけるとドアをこじ開けようとした犯人は逃走。 警察が行方を追っています。その5日前の今月2日にも、この家の隣にある住宅で2人組の男が侵入する事件がありました。警察は、強盗目的で侵入した可能性も視野に捜査しています。 ■なぜ闇バイトに応募?背景に深刻な問題 なぜ闇バイトに応募してしまうのか?一連の強盗事件で逮捕された容疑者からは生活の苦しさを理由にした供述が… “実行役”金子優汰容疑者(28) 「家に帰る電車賃もなかった」 “リクルーター役”名倉優也容疑者(31) 「消費者金融に数百万円の借金があった」 また、それぞれ別の事件で“夫婦で闇バイトに手を染めた”として逮捕された木本康寛容疑者と妻の未穂容疑者。近所の人が目撃した、その生活ぶりは…? 近隣住民 「4人で家の前に車停めて出て行くとか」 Q)家族でお出かけに? 「家族で」 木本容疑者には、2人の子どもがいて4人暮らしだったとみられています。近隣トラブルもなく、普通の家族だったといいます。夫・康寛容疑者の父親からはこんな声も… 木本康寛容疑者の父親 「(息子は)仕事もしないでブラブラしているのもあった。家賃も滞納していて大家から出て行ってくれと言われたみたい」 ■闇バイトを応募して逮捕・実刑判決を受けた男性を取材 過去に闇バイトで逮捕された男性 「よろしくお願いします」 サタデーステーションは、数年前特殊詐欺の闇バイトで逮捕・実刑判決を受けた男性に話を聞くことができました。 過去に闇バイトで逮捕された男性 「お金もないし、自分の生活をどうにかしたい、苦しみからもう逃れたいっていう一心だけで正直やってしまっていた」 闇バイトに手を染めてしまった主な理由も貧困だったといいます。 過去に闇バイトで逮捕された男性 「親が離婚して母子家庭になってはいたので比較的裕福な方ではなかった。大学の奨学金も借りていたので実質400万から500万円の間ぐらい(借金があった)」 頼れる人もいない中で、最終的に闇バイトに手を染めました。出所した現在も男性は更生施設に入り、完全に社会復帰できていません。そして、借金は今も残っています。 過去に闇バイトで逮捕された男性 「あの頃の自分に後ろから声をかけるとしたら、お前の人生チャラになるぞという感じですかね、甘い話なんてないぞと」
テレビ朝日