【大学野球】逆方向へ圧巻の弾道にスカウト驚愕 なぜ早大・吉納翼は「ミスター3ラン」と呼ばれるのか
打点記録更新への期待
この日は3ランを含む、2安打5打点。神宮球場のネット裏で視察したロッテ・榎康弘スカウト部長は「広角に長打を打てるのが魅力。一振りで決める勝負強さ。打点を稼ぐのは良いバッターの証拠です。選球眼が良く、自分で打てるボールを待っている」と評価した。 9月6日にプロ志望届を提出し、10月24日にドラフトが控えるが「(春秋)連覇に向けて、自分がやるべきことをやる」と、目の前の一戦に集中する。 開幕から4試合で、打率.400、4本塁打、15打点。法大との残り試合、さらに3カードを残す。シーズン最多本塁打は7。シーズン最多打点は22。記録更新への期待が高まる。 「チームの優勝。春秋連覇のご褒美として(個人記録が)かえってきたら良いです。3回戦で勝って、(次週の)立教戦に良い形でつなぐ。ここぞの場面で打ってみせます!!」 あくまでも、勝利の一打に専念する。2学年先輩・蛭間、1学年上の熊田任洋(トヨタ自動車)の背番号「1」を継承する吉納。取材後の会見では自嘲気味に話したが、ホームランバッターの自負がある。自らが生きていく道と自覚している。開幕前にこう言っていた。 「春同様、目標の三冠王は最後、取りたい。まずは二ケタ本塁打まであと1本(今春までに9本塁打)。そこは確実にクリアした上で、15本は打ちたいので、秋は6本塁打。打率4割、6本塁打、20打点を目指します」 早くも掲げた数字に近づいてきた。勢いに乗ったらもう、止まらない。名前のごとく「翼」のように大きく羽ばたき、学生ラストシーズンで有終の美を飾る。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール