イスラエル軍がガザの一部で毎日、活動一時停止 援助物資搬入増やす目的
イスラエル軍は6月16日、パレスチナ自治区ガザ南部の一部地域で毎日、軍事活動を一時停止すると発表した。国際援助機関が人道危機の悪化を警告しており、より多くの援助物資搬入を可能にする。ケレム・シャローム検問所から北に向かう道路沿いで、毎日0500─1600GMT(日本時間午後2時から翌日午前1時)まで停止するという。ラファでの戦闘は継続する。これに対しネタニヤフ首相は、受け入れられないと伝えたという。 イスラエルでは6月16日、ガザ地区で死亡した軍司令官ワセム・マフムード氏の葬儀が行われていた。 将校らは、マフムード氏が「勇敢さと決断力、プロ意識」で兵士らを統率したと語った。 マフムード氏は、イスラム教の少数派、ドルーズ派の一員だった。 イスラエル軍によると、マフムード氏の部隊はガザ南部ラファを装甲兵員輸送車で移動中だった。 軍のハガリ報道官はこう説明。 「入手した情報によると兵員輸送車の1台が激しく爆発した。周囲に仕掛けられた爆破装置か対戦車ミサイルが原因だ。乗っていた戦闘員8人は死亡した」 イスラム組織ハマスは、車両が地雷原に入ったと主張した。 イスラエルのネタニヤフ首相は犠牲者について、「祖国を守るための正当な戦争で悲痛な犠牲がまた出た」と言明。ハマス壊滅と人質全員の奪還という軍事目標を堅持すると改めて誓った。 イスラエル警察は15日、人質の救出作戦だとする映像を公開。ロイターは、撮影日や場所を確認できなかった。 ガザでの戦闘は8カ月以上たつが、停戦を求める国際圧力にもかかわらず、停戦合意からは程遠い状態。 だがイスラエル軍は16日、ガザへの援助物資搬入を増やすため、ガザ南部の主要道路沿いで攻撃を毎日、特定の時間帯に停止すると発表した。 イスラエルによればハマスは10月7日、イスラエル南部を襲撃し1200人を殺害。250人以上を人質にした。 一方、ガザ保健省によると、イスラエルの報復攻撃で3万7000人以上のパレスチナ人が死亡した。