1番人気のチェルヴィニアは直線で鋭く伸び、オークスに続く2冠目をつかんだ＝京都競馬場（撮影・中島信生）

クリストフ・ルメール（45）＝栗東・フリー＝騎乗で1番人気のチェルヴィニアが直線で鋭く伸び、オークスに続く2冠目をつかんだ。次はジャパンC（11月24日、東京、GⅠ、芝2400メートル）を視野に入れており、牡馬や年長馬に挑戦することになりそうだ。2着は大外から追い込んだ5番人気ボンドガール、3着は2番人気のステレンボッシュ。 ◇ 秋晴れの淀でも大輪を咲かせた。オークス馬チェルヴィニアが堂々と抜け出し2冠達成。最多タイの秋華賞3勝目を挙げたルメール騎手は、右拳を突き上げて喜んだ。 「一番、強い馬で勝つことができて本当にうれしい。秋華賞は牝馬にとって大事なレース。オークスを勝ってGⅠをリピートしたかった。すごくいい競馬をしてくれた」 セキトバイーストがレース史上最速となる前半1000メートル通過57秒1の大逃げを打ち、大いに観客がわくなか、道中は中団を追走。抜群の手応えで直線に向き、残り300メートルで進路ができると自慢の末脚がはじけた。一気に先頭に立ち、昨年6月の新馬戦で敗れたボンドガールを1馬身3／4振り切る完勝劇。エンジンの違いをまざまざと見せつけた。 ホームでの調整で勝利を手繰り寄せた。同じ関西圏のレースだった桜花賞時は栗東に滞在し、13着。反省を生かして今回は美浦で調整した。5カ月の休み明けでも8ハロンの追い切りを2週連続で取り入れて負荷をかけ、状態はみるみる上昇。レース当日にチェルヴィニアを見た木村調教師は「2018年にここ（京都）でステルヴィオで（マイルCSを）勝たせてもらっているんですけど、そのときと馬のエネルギー感が重なって、すごくうまくいっていると思いました」と自身のGⅠ初勝利時を想起したほど。GⅠ6連勝のイクイノックスを管理した厩舎の渾身の仕上げで、2冠目をつかみ取った。 世代の女王に君臨し、見据える先は年長馬、そして牡馬との対決だ。サンデーレーシングの吉田俊介代表は「様子を見てジャパンCに行きたい」と明言。師が「普段からすごい馬だなと思いながら管理していますし、まだまだ可能性がある」と言えば、鞍上も「春よりパワーアップして、能力があって何でもできる。古馬の牡馬が相手でも問題ない。レジェンドホースになることを期待しています」とうなずいた。 オークス2着チェッキーノから生まれた才媛は、さらなる高みへ駆け上っていく。（綿越亮介）