3輪商用EV「I-Cargo」の航続距離がさらに伸びる。宅配ドライバー不足時代の救世主となるか
バイクとクルマの利点を併せ持つ新モビリティ
宅配ドライバー不足の解決手段としてその活用に期待が集まる小型商用3輪EV。その代表的なメーカーのひとつ、米国発祥のベクトリクス「I-Cargo(アイカーゴ)」が、新開発のバッテリーシステムを搭載したバージョンアップモデルとして今春より発売を開始。実車は1月24日から東京ビッグサイトで開催される「第16回オートモーティブワールド第4回 MaaS EXPO」で披露される。 【写真】3輪商用EV「I-Cargo」をもっと詳しく見る 2024年は軽商用車のEV化が一気に進むと言われている。三菱ミニキャブ ミーブに加え、今春発売予定のホンダ「N-VAN:e」、そしてトヨタ/ダイハツ/スズキの共同開発車も、導入時期は延期されたもののいずれ発売される。つまり、おもにラストワンマイルの配送業務分野では、既存の商用軽は急速にEVシフトが進むだろう。 一方、軽四輪よりもさらに小さく小回りの利く、“バイクでもない、クルマでもない”超小型商用EVの普及も待望されている。とくに宅配業界においては、ドライバー不足が深刻化しつつある。その解決策のひとつとして注目を集めているのが、だれにでも扱いやすく軽四輪よりも小回りが利く超小型商用EVというわけだ。 2023年10月に国内発売が開始されたベクトリクス「I-Cargo」は、まさにそんな需要と社会課題を解決する新しいモビリティである。全長2130×全幅1020×全高1815mmの小さな電動3輪カーゴスクーターで、登録区分は“側車付軽二輪自動車”となる。狭い路地にも入っていけるし、駐車スペースも最小限だ。 さらに利便性を高めているのが、バッテリーを脱着せずに充電できる2WAY充電方式を併用しているところ。つまり、電動アシスト自転車のように電池パックを交換して走ることもできるし、一般的なEVのようにコンセントタイプの充電プラグを直接車体とつないで充電することも可能だ。「充電中の待ち時間が長すぎる」、「航続距離が心配だ」、「充電設備を新設するのは面倒だ」。2WAY方式を採用することで、そんな疑問や要望に応えて導入障壁をクリアしている。 また、カーブではバイクのように車体を傾ける必要はなく、力の弱い人でも自動車と同じように行きたい方向にハンドルを切るだけで曲がるのも美点。信号待ちなど停車中も支える必要のない「完全自立型」なので、体格や年齢・性別を問わず、普通免許さえもっていれば誰でも運転が可能だ。