多重・横転…高速道路で相次ぐ事故 路肩に移動できなかったら?追越車線で停まってしまったら…? 緊急時の“3原則”と普段からの心構え「車間距離は秒数で」
一方、ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「首都高はガードレールがある所ならいいが、山手トンネルなんかは路肩がない。カーブもめちゃくちゃ多いので、その先に車が停まっているとは想像しないだろう。車を降りても逃げる所がない、車の中にいても追突される、という時の瞬時の判断が求められる。“こうすれば大丈夫”というマニュアルも作りづらいのではないか」と懸念を示した。
■運転手に何かあった時はどうすれば… 車間距離は「距離ではなく秒数で」
5月11日、首都高湾岸線でタクシーが単独事故を起こし、運転手と乗客が死亡した事故では、直前に運転手の体調に異変があったとみられている。こうした場合の対応についてけんたろう氏は、「助手席にいる場合は、足がアクセルを踏み続けていないかどうかはすぐに見たほうがいい。そこで踏んでいなければ、ハンドルを軽く曲げて壁やガードレールなどに擦りつけるようにしてゆっくり止まらせることは可能だと思う。ただ、運転者が意識を失ったりした時に動けるかというとなかなか難しく、後ろにいたらなおさらそうだろう」とコメント。 そのため、「職業柄、他の人が運転する車に乗ることはほとんどない。ただタクシーに乗った時は、最初にちょっと話をして受け答えが的確かを確認したり、5分ぐらい乗れば運転のスキルがわかるので、怖い時は速やかに最寄りの駅で降ろしてもらうことを心がけている」と、事前の対策を明かした。
「車は急に止まれない」というが、停止までは障害物を認知してからブレーキが利き始めるまでの「空走距離」と、ブレーキを踏んでからの「制動距離」が合わさる。それを踏まえた場合の安全な車間距離は、時速80キロなら66.66メートル、時速100キロなら83.34メートルだ(佐賀県警推計より)。 一方、けんたろう氏はわかりやすい指標として秒数を推奨。「一般道であれば前の車が通った場所を2秒後に通過すればOK、高速道路なら3秒後だ。自信がない場合は1、2秒伸ばせば、いざという時に回避できたり止まったりできる猶予が生まれる」と述べた。(『ABEMA Prime』より)