ポルシェがEV「タイカン」の航続距離を最長175km伸ばすなど大幅改良。スタイリングも刷新
パワートレーンの性能向上、ターボSはなんと952ps
2024年2月7日、ポルシェジャパンはEVのセダン「タイカン」とクロスオーバーSUVの「タイカン クロスツーリスモ」の大幅改良を発表した。2024年春から生産を開始、車両価格は1370万円~2746万円に設定される。 【写真】EVの王者に君臨!? 新型ポルシェタイカンの詳細を見る 2019年末に初登場したEVのタイカンは、運動性能や乗り味、デザインなどポルシェらしいスポーツ性を高く評価され、日本だけでなく北米や英国、中国などを中心に多く販売され、生産台数は15万台を超えているという。そのタイカンが航続可能距離を伸ばすなどの一部改良を受けることは2024年2月初旬に予告されていたが、今回正式に発表されたことになる。 日本で販売されているセダンタイプの「タイカン」とクロスオーバーSUVの「タイカン クロスツーリスモ」、そして海外でのみ展開されているステーションワゴンの「タイカン スポーツツーリスモ」が同時に公開された。 エクステリアデザインはフロントマスクを中心に刷新されて、滑らかで洗練さが高められている。ヘッドライトはボンネットフードとフロントバンパーの面と同調するように配置されるとともに、従来涙が滴り落ちるようなデザインだったライト下のエアインレットは独立してバンパーに埋め込まれた。もちろんバンパー形状も見直されて、より直線的で低重心であることが感じられる。 大きな変化といえば、やはりバッテリーを含めたパワートレーンだろう。とくにハイエンドグレードにあたるターボSの加速性能においては、従来モデルより0→100km/h加速で0.4秒短縮した2.4秒を記録したという。この数値はローンチコントロール使用によるものだが、最高出力は140kWプラスされてシステム合計で700kW(952ps)を発生するという。(ベースグレードのタイカンの0→100km/h加速は、0.6秒短縮した4.8秒としている) 駆動用バッテリーはグレードごとには公表されていないものの、タイカン4Sとタイカン4Sクロスツーリスモに標準装備されるパフォーマンスバッテリープラス(日本仕様)は、従来から12kWh増えた105kWhだ。出力を高められたリアモーター、改良型のパルスインバーターやヒートポンプ、そして回生ブレーキの出力30%向上(290kW→400kW)など、さまざまな改良を総合させることで航続可能距離は最長で175km伸びて678km(WLTP)としている。 このほかにも、全グレードに標準装備される「アダプティブエアサスペンション」と、4WDモデルのオプションとして用意された「ポルシェアクティブライドサスペンション」により、乗員にかかるGを低減するという。 エアサスペンションは、加減速時だけでなくコーナリングでもボディを水平に保つとともに、滑らかな乗り心地を実現。一方でダイナミックな運転をするような状況では、ポルシェアクティブライドサスペンションがピッチとロールを補正することにより、タイヤホイールにかかる荷重を調整、路面とタイヤの接続性が高められるという。 2024年春から生産を開始するとしているが、日本市場でのデリバリー時期については発表されていない。 【ポルシェ タイカン 車両価格】 タイカン:1370万円 タイカン4S:1650万円 タイカンターボ:2289万円 タイカンターボS:2746万円 タイカン4 クロスツーリスモ:1507万円 タイカン4S クロスツーリスモ:1670万円 タイカンターボ クロスツーリスモ:2308万円