【NBA】レブロン・ジェームズと息子ブロニーがプレシーズンゲームで同じコートに立つ「一生忘れない瞬間だった」
「これは父親が望むことの最高の一つだ」
現地10月6日、レイカーズのプレシーズンゲーム2試合目のサンズ戦、レブロン・ジェームズは息子ブロニーと一緒にプレーした。プレシーズンではあっても、NBAのコートに親子が同時に立つのは初めてのこと。「現実とは思えないね」と試合前にレイカーズ指揮官のJJ・レディックは言った。そしてレブロンも「現実とは思えない」とSNSに投稿している。 レイカーズの先発はディアンジェロ・ラッセル、オースティン・リーブス、八村塁、レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスという『いつもの5人』。レブロンはまだまだ調整中でアクセル全開ではなくプレーの感触を楽しみながら、という感じではあったが、試合開始早々に2つのアシストを記録し、試合を支配する力が健在であるところを見せている。 第2クォーターの頭に投入されたブロニーをレブロンは追いかけ、そっと背中を触れたところから親子の共演が実現した。ただ、レブロンがいまだ『NBAの顔』として健在である一方で、ここから自分の立ち位置を確保しなければならないブロニーは地に足が着いていなかった。ディフェンスリバウンドを奪って攻撃に転じようとするところでボールを失い、そしてレブロンからパスを受けてジャクソン・ヘイズのスクリーンを使ったところで次のプレーに迷ってしまい、トラベリングでチャンスを潰した。その数分後、レブロンとのハンドオフから3ポイントシュートを放つも(この瞬間、アリーナにいた全員が呼吸を止めた)、これはリングに嫌われた。 レブロンは前半のみ16分のプレーで19得点5リバウンド4アシスト2ブロックと堂々のパフォーマンスを披露。一方でブロニーは13分のプレーで得点を挙げられず。接戦で迎えた終盤も他の若手とともに起用されたが、確たる成果を残すことはできなかった。だが、ブロニーはこれからの選手であり、いきなり偉大なる父親と並び立つ必要はない。ただ同じコートに立っただけでも偉大な成果だ。 ブロニーは「父親でもプレーしている時はチームメートの一人」と繰り返しているが、父親の思いは異なる。試合後のレブロンは「一生忘れない瞬間だった」と語る。奇しくもブロニーの20歳の誕生日の出来事。自分が父親になってから20年が経過したその日に、こんな感動を味わうことができるとは予想できず、さすがのレブロンも感慨深い表情だった。 「父親にとってはすべてを意味する。父親不在で少年時代を過ごした者にとって、自分の子供と一緒に過ごし、影響を与え、そしてついに一緒に仕事をするようになった。これは父親が望むことの最高の一つだ。本当に何と言っていいのか……信じられない」 『レブロンの息子』というプレッシャーは彼にしか体験することのできないとてつもない重圧だろう。さらに彼は心臓疾患も乗り越えなければならなかった。こうしてブロニーがこのコートに立ったことには大きな意味がある。だが当然、レブロンは息子がここまで来たことに満足するのではなく、同じ仕事で成功を収めることを願っている。「この調子で頑張れ、と伝えた。ブロニーはまだ若く、成長したいと願っている。それが最も大事なことだ。試合に出るたびに勝利に繋がるプレーをするんだ。ミスから学び、勝利に繋がるプレーをし続けることだ」 レブロンとともにプレシーズンゲーム初出場、18分で17得点8リバウンド3アシストとこちらも貫禄のパフォーマンスを見せたアンソニー・デイビスは、盟友レブロンとその息子ブロニーが同時にコートに立ったことを祝福し、ブロニーのパフォーマンスについてこうコメントしている。「ブロニーはタフな選手だよ。ディフェンスを意識してフィジカルにプレーできる。スクリーンをすり抜け、ディフレクションやスティールが上手い。でも、彼はまだ学んでいる最中のルーキーであり、今はこの環境を把握しようとしているところなのは理解してあげるべきだ」 また、八村塁は先発出場で22分プレー。フィールドゴール8本中6本成功と効率良く13得点を奪い、他にも8リバウンド1アシスト1スティールを記録。経験豊富な主力として順調なスタートを切っている。