松村邦洋さん「デブにカレーは飲み物ですから…」で感じた「出すぎず、抑えすぎず」の妙(本多正識/漫才作家)
【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#221 松村邦洋 ◇ ◇ ◇ 放送作家の高田文夫さんの笑い方のモノマネ「バウバウ」で一躍注目を集めた松村さん。お仕事させていただくといつも「気持ちがいい」「またご一緒したい」という気持ちになりました。 【写真】阪神・巨人OB戦で阪神の応援リポーターとしてベンチからグラウンドを見る松村邦洋 また学生時代からモノマネをしていた憧れのビートたけしさんご本人の前で「おまえが一番うまい」と言われて「うれしかったすね~! 最高でした! 感激しましたね」と当時を思い起こして涙目で話されていたのは印象的でした。 好きな料理をリクエストしてもらう番組でカレーライスをリクエストされた時のこと。関西の名店のシェフがスタジオに来て、目の前で作った熱々のカレーを十数秒で完食! 体感としては5秒ぐらいのあっという間。あまりの早さに(トミーズの)雅くんが「おまえ何をしてんねん! 流し込んでるだけで、いっこも噛んでへんやないか?」とあきれて聞くと「デブにはカレーは飲み物ですから」。「ウソやろ? 熱々やぞ! 口の中も胃もヤケドするやろ?」と聞かれても「大丈夫です、慣れてますから。お代わりいただけますか?」と涼しい顔。この時は本当にびっくりしました。 出すぎず、抑えすぎず、周囲の空気と間を計りながら絶妙にトークを進めてくれて、モノマネをふられれば、本人が言いそうなリアクションをこれまた絶妙に返してくれる。 松村さんのモノマネの中には似ていないけど似ているように感じるものもありますが「似てる似てないじゃなくて、マネする人を本当に好きになってリスペクトすることですね」とのこと。相手のことが好きで、尊敬していると似て見えてくるというのも松村さんならではなのかもしれません。また、モノマネをさせてもらう方にはお中元やお歳暮を贈っているそうです。「本家がいないと絶対できないことですから、はい」と真顔。高田文夫さんから受けた「芸能界で一番大切なのは挨拶と礼儀」との教えを律義に守っているのがわかります。 また、本番中にお水が少なくなると、CMに入ったタイミングでADさんに「すいません。お水お願いします」と言うと、小さな声で「○○さんも少なくなってるから入れてあげてください」と共演者にも気遣いされていました。 「東京マラソン2009」で倒れた時は本当に心配しましたが、体重・体調の管理もしながらもっともっと活躍の場を広げていただきたいと思います。 (本多正識/漫才作家)