親子3代で甲子園出場 「家族に恩返し」高知・三谷が活躍 センバツ
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に4年ぶり19回目の出場を果たし、25日には国学院久我山(東京)との2回戦に臨んだ高知。二塁を守った三谷高慶(たかよし)選手(3年)は祖父と父に続く親子3代での甲子園出場となった。 【熱戦の様子を写真で】 祖父勝水(まさみ)さん(70)は同校2年だった1968年夏、第50回選手権大会に出て、4番の代打でヒットを放った。父高由(たかゆき)さん(42)は高知県の強豪・明徳義塾で3年だった97年、センバツ大会2回戦で代走を務めた。「グラウンドに足を踏み入れた瞬間、鳥肌が立った」と今でも覚えている。 「親子3代で甲子園に行ったろう!」。大舞台の感覚が忘れられず、三谷選手が生まれた時からそんな思いを抱いた高由さん。だが、小学校時代の三谷選手はサッカーに夢中だった。「ゲームを買ってあげる」と約束し、地元少年野球チームの試合に参加させた。三谷選手は「野球を始めるきっかけになった」と振り返る。父の「作戦」は功を奏し、サッカーから野球に転向した。 高知中学に進み、必死に努力を続ける三谷選手の力になろうと、高由さん自ら自宅横のバッティングセンターで指導。勝水さんも練習終わりに自宅を訪ねてくる三谷選手に、経験に基づいた打撃方法を伝授した。 家族一丸でのサポートを受けた努力は実を結び、レギュラーとしてセンバツ出場を果たした三谷選手。「家族みんなに恩返しをしたい」という思いを胸に臨んだ21日の東洋大姫路との1回戦では安打を放ち、2点目のホームを踏むなど勝利に貢献した。 この日の国学院久我山との2回戦でも要所で勝負強さを見せ、4打数2安打と活躍。安定した守備も見せ、厳しい展開が続くチームを懸命に支えた。 3―6で敗れたものの、スタンドで応援した高由さんは「得意とするセンター返しを見られてうれしかった。いつも以上の力を発揮できていた」と満足。勝水さんも「落ち着いて自分の力を出していたと思う。夏も甲子園に出場してほしい」と話した。期待を背負って活躍した3代目の姿は輝いて見えた。【小宅洋介】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。