JRが陸上養殖したサーモンの出荷始まる「甘みがありおいしい」…経営多角化の一環
JR四国が陸上養殖したサーモンの出荷が、24日始まった。同社が経営多角化の一環で今年開始した事業で、まずは約150匹が年末年始にかけて、高松の系列ホテルや首都圏のスーパーなどで提供される。
同社は赤字が続く鉄道事業を支えようと、鉄道以外の事業での収益拡大を目指している。今年8月から、熊本県八代市の事業者の協力を得て、水槽に地下水をかけ流してサーモンを育てる事業に参入。同市で試験的に約3000匹を育て、約2キロになったものから順次出荷する。
えさに粉ミルクを混ぜており、脂が少なく、あっさりした味わいながらもうまみがあるのが特長で、「ミルクサーモン」と名付けた。来年夏までに約2000匹を出荷する予定。また、今年度中に四国内でも養殖場所を選定したい考えで、2030年度には1億円以上の売り上げを目指す。
26日から首都圏のスーパーで販売されるほか、1月10日からJRホテルクレメント高松のレストランや日本料理店で、3000円~2万円程度のコース料理の一品として、追加料金1000円で提供する。
レストランではマリネで生の食感を残しながら加熱し、赤ワインなどのソースを添える。日本料理店では、漬け丼に仕立てる。試食した四之宮和幸社長は「甘みがありおいしい。地域の皆様にぜひ味わっていただきたい」と話した。