キャンプ場として開放する下福良地区の棚田＝12日、美里町

　農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に指定されている美里町の一部棚田を19日から毎週末、キャンプ場として開放する。町や農家などでつくる「町指定棚田地域振興協議会」が初めて実施する実証事業。11月末まで。 　農閑期の水田活用や交流人口の拡大が目的。つなぐ棚田遺産は棚田を保全し地域振興を図る地区が選定される。美里町には4地区あり、そのうち下福良と白石野の一部を開放する。 　利用できるのは約10～30㌃の計5カ所。1人1組で4千円（1人増ごとに500円追加）。下福良は1日2組、白石野は5組までで、事前に特設サイトから希望日やエリアを指定して申し込む。飲料水や食料、テントは各自準備。近くにトイレと水道、駐車場がある。利用者には、それぞれの地区で取れた米を1組2キロ提供する。 　地域おこしに取り組む美里まちづくり公社は12日、町内のアウトドア愛好家2人と棚田の状況を確認。「簡易ベッドの用意を呼びかけて」などの意見が出た。公社の濱田孝正マネジャー（58）は「下福良は連なる山から眺める夕日、白石野は里山の雰囲気を楽しめる。美里の魅力を知るきっかけにしてほしい」と話した。（清島理紗）