2000万円着服疑いの介護施設元社長 施設利用者の80代女性を勝手に養子縁組 財産乗っ取り目当てか
■被害を防ぐためには「後見人を選ぶだけで安心せず、第三者の存在も重要」と専門家
80代の姉妹は、認知機能に問題はありませんでした。 被害を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。 専門家は… 【日本高齢者虐待防止学会理事長 池田直樹弁護士】「財産管理ということになるから、成年後見もあるんですけど、判断能力が劣ってきた人を補助するのが、成年後見」
本人に代わり、後見人が財産管理などを行う成年後見制度。 「法定後見」は本人が認知症などで、判断できなくなった時に限り、裁判所が弁護士や司法書士などから後見人を選びます。 一方「任意後見」は、将来、判断能力が低下したときのためにあらかじめ後見人を選んでおきます。
その上で、後見人を選ぶだけで安心せず、他に相談できる第三者の存在も重要だといいます。 【日本高齢者虐待防止学会理事長 池田直樹弁護士】「信頼していた人に裏切られるっていうリスクはないことはない。そういう信頼できる人の話に第三者がチェックをすると、二つの意見を聞きながら、最終的に自分が決める。1人だけを信用して結論を出すリスクっていうのはある」 高齢者の財産管理。「自分の財産が狙われる危険がある」という心構えで、色々な判断をする必要があります。
■「介護倫理の制度の拡充を」
身寄りのない高齢者の財産をどう守るか、京都大学大学院の藤井聡教授はこのように話します。 【京都大学大学院 藤井聡教授】「やはり後見制度、これをしっかり拡充をして、こういう被害が出ないように、しっかり守っていくって制度が必要だと思います。ただ今回の事案は、介護施設で起こった問題で、その点に着目すると、今の後見制度に合わせて、『介護倫理の制度』これをしっかり作ることも、極めて重要ではないかと。例えば一般的には今回のような事案は、入院してる普通の病院では無いですよね。なぜかというと、医療倫理が医師会においては確立をしていて、ある種の倫理が決まっています。医療制度よりも介護制度の方が、新しい制度なので倫理制度が気持ちの問題でも、制度の問題でも充分できていない。ここをしっかり確立していく議論を合わせてやっていくってことが極めて重要で、この問題を根こそぎ改善していくには、この医療倫理に加えて介護倫理の制度これをしっかり作ることが大事だと思います」 介護従事者が高齢者の財産を狙うケースが、大変増えています。これは経済的虐待とも言われていますが、被害の実情が見えにくい現状。対策が求められます。 (関西テレビ「newsランナー」2024年6月28日放送)
関西テレビ