ベトナム国家主席に人民軍大将のクオン氏 問われる安定回復への手腕
ベトナム国会は21日、権力序列2位の国家主席に、人民軍大将で共産党書記局常務のルオン・クオン氏(67)を選出した。ベトナムでは汚職の続発を背景に、党幹部の解任が相次ぐ。最高指導者の党書記長も8月に就任したばかりで、新体制の下、国の強みである政治的安定を回復できるかが問われる。 【写真】対日関係深めた「竹外交」続くか 13年ぶり指導者交代、識者の見方 21日の就任式で演説したクオン氏は、「党、国家、人民から託された任務を果たすべく努力する」と決意を述べた。 ■戦争への従軍経験も 共産党が一党支配するベトナムは党書記長、国家主席、首相、国会議長の「四柱」による集団指導体制を敷く。ナンバー2の国家主席は国家元首にあたり、内政と外交で国を代表する。 クオン氏は北部フート省出身で、1979年の中越戦争に従軍。人民軍で最高幹部の政治総局主任などを歴任し、今年5月に「四柱」に次ぐ党序列5位の書記局常務に就任していた。 国家主席のポストは、7月にグエン・フー・チョン前書記長が死去した後、書記長となったトー・ラム氏が兼任していた。クオン氏の任期は前任者の残りを引き継ぎ、2026年1月まで。
朝日新聞社