『イース9』発売5周年。壁を駆け上がり高所から滑空するのが気分爽快。怪人たちの異能を使ってバトルも探索も楽しめるのが魅力だった【今日は何の日?】
探究心をくすぐる巨大都市の自由探索 2019年(令和元年)9月26日は、プレイステーション4(PS4)用『イースIX -Monstrum NOX-』(モンストルム・ノクス)が発売された日。本日で発売5周年を迎えたことになる。 【記事の画像(7枚)を見る】 『イースIX -Monstrum NOX-』(以下、『イース9』)は、日本ファルコムから発売されたアクションRPG。1987年6月21日に記念すべき1作目が発売されてから37年の歴史を持つ、『イース』シリーズのナンバリング9作目となるタイトルだ。 近年ではプレイステーションVita用として発売され、後にプレイステーション4やNintendo Switchなどにも移植された『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』(ラクリモサ・オブ・ダーナ)が非常に高い評価を受けて話題となった。 本作はその直後に発売された続編ということもあって、多くのゲームファンが期待に胸を膨らませていたのではないだろうか。 本編シリーズでは主人公が一貫して冒険家の“アドル・クリスティン”というところも有名で、年代は作品ごとに異なっている。『イース9』では24歳となったアドルが主人公となっており、シリーズの時系列ではいちばん新しい、最年長の姿が描かれる。 舞台となるのは“監獄都市バルドゥーク”。街なかに巨大な監獄がある城塞都市で、この地方の交通の要衝でもある。そのため、街は繁華街や貧民街、農耕区などさまざまなエリアに分かれていて大勢の人々が暮らしている。前作は絶海の孤島が舞台だったこともあって、ロケーションや雰囲気の大きな違いに驚かされた人も多いはず。 本作の物語はアドルが街の監獄に投獄されてしまうところからスタート。何とか脱獄には成功するが、そのさなかに謎の女性と出会ったことを切っ掛けに“監獄都市”や“怪人(モンストルム)”にまつわる奇妙な事件に巻き込まれてしまう……。 爽快だったのは“異能アクション”の存在。本作では怪人と呼ばれる超常的な力を持ったキャラクターが仲間となり、あらゆる場面で力を貸してくれる。いちいちキャラクターの切り替えをする必要がなかった点はとくにありがたかった覚えがある。 垂直な壁面も軽々と駆け上がる“天空散歩(ヘヴンズラン)”、離れた場所へ瞬時に移動する“王者の道(クラムゾンライン)”、羽を広げて長時間滑空できる“猛禽の翼(ハンターグライド)”、人間の目に映らない物体・現象を可視化できる“第三の瞳(ザ・サードアイ)”など、能力は多種多様だ。 たとえばバトルならロックオンした相手に王者の道で一気に近づいたり、敵の大技を猛禽の翼などでやり過ごしたりとテクニカルに利用できる。アドルの機動力が高まることもあってスピーディーなバトルを実現。かなりの爽快感が味わえた。 固有技の“スキル攻撃”や能力を上昇させる“ブースト”、一撃必殺の“エクストラスキル”といったシステムも組み合わせれば、変幻自在の攻撃をくり出せて気持ちよさは倍増だ。 異能アクションはバトルだけでなく、探索時にも大いに力を発揮するのがすばらしいポイント。高低差のある街なかを自由に駆け回れるのが気分爽快で、多くのプレイヤーが魅了されてしまっただろう。 第三の瞳でギミックを見破ったり見えない足跡を可視化させて追っていったりと謎を解く楽しさも味わえたが、最高なのはやっぱり天空散歩と猛禽の翼の組み合わせ。街の高い建造物の壁を駆け上がり、高所から滑空して飛んでいくのは極上の快楽だった。行けそうで行けなかった場所へも行けるようになるため、探索が一層おもしろくなるところもよかった。 現在『イース9』はSteamとNintendo Switchにも移植済み。いま楽しむならプレイステーション4版も含めてお好きなハードをチョイスするといいだろう。 シリーズの最新作は、2023年9月28日に発売された『イースX -NORDICS-』。若かりし17歳のころのアドルの物語となっている。対応プラットフォームはNintendo Switch、プレイステーション4及びプレイステーション5(PS5)。