【大学野球】丸田湊斗が初スタメン 昨夏甲子園の慶応Vメンバー3名がベンチ入り 慶大1年生抜擢の理由
◆東京六大学野球春季リーグ戦第3週第2日▽慶大5―4法大(28日・神宮) 慶大が法大に雪辱し、1勝1敗のタイに持ち込み、勝ち点の行方は29日の第3戦へともつれ込んだ。第1戦で敗戦投手となったエース・外丸東真(3年)が9回無死一塁から救援。1点差で逃げ切った。 * * * 負ければ勝ち点を逸し、V戦線から後退する大事な法大戦第2ラウンド。慶大は慶応(神奈川)のリードオフマンとして昨夏の甲子園で107年ぶり優勝の原動力となったルーキー・丸田湊斗を「1番・中堅」で初スタメン起用した。堀井哲也監督(62)はその意図について、こう説明した。 「考えに考えて、どういう打順がいいのかと思って、決めました。状態が良かったので、いろんな先発メンバーの調子を見ながら、丸田で行ってみようと。朝、伝えました」 丸田は3打数無安打も、同点の5回無死では四球をもぎ取り、勝ち越しのホームイン。俊足を生かし、センターの守備でも躍動した。丸田だけじゃない。同じ慶応のVメンバー・福井直睦(1年)は5回2死一、三塁に代打で登場。二飛に終わったが、神宮に第一歩を刻んだ。正捕手の渡辺憩もベンチ入りメンバーに名を連ねた。報徳学園(兵庫)から入学したルーキー・林純司は8回に貴重な2点二塁打を放ち、そのまま二塁の守備に就いた。 ルーキーズの抜擢に指揮官は「丸田の先発と同じで、状態がすごくいい。競争の中で、全体のバランスや調子を見ながら、(法大は)左のいい中継ぎが多いので、右打者を厚くした」と語った。 彼ら1年生が思い切りプレーできるチーム内の土壌も見逃せない。福井が打席に向かう前、ベンチ前で主将の本間颯太朗や主砲の清原正吾(ともに4年)が快活な表情でアドバイスする姿が印象的だった。 先制打&決勝二塁打で2安打2打点と活躍した4年生の副将・水鳥遥貴は試合後の会見で、こう言った。 「僕が1年生の頃には考えられないような活躍。素直に尊敬している。1年生には野球もそうですが、野球以外もチームの副将としても、彼らが4年生になった時の見本になれるよう、やっています」 ベンチ内のムードでは対する法大も負けていない。劣勢でも活気があふれ、闘志が充満している光景に目を見張った。いざ第3ラウンド。篠木健太郎と外丸東真による白熱したエース対決が予想される。互いに負けられない一戦。神宮の杜がさらにヒートアップするのは間違いない。(加藤 弘士)
報知新聞社