「徐々に倒壊していく家も」「ダークツーリズムのようになってる」 能登“進まぬ復旧”の現状、ボランティア不足への対策は
■「片付けだけではない」今&これからできるボランティアは?
では、どうすればボランティアを増やすことができるのか。安部氏は「受け入れる時に、“何をしてもらうか”という仕事を作る作業がある。これは住民がいないとニーズが上がってこないもの。なので、まず水を戻して、仮設住宅になるだろうが住民が戻って生活する環境ができて、初めてボランティアが回せるようになる」と述べる。 さらに、「今まさにボランティアに行くべきだ」と提示。「ボランティアツーリズムの形が一番良いだろう。例えば、前原さんと一緒に炊き出しをするとか、桐本さんの所に行ってお話を聞いてもいい。地域の課題解決にそれほど短期的には効かないが、長期的に見ると地域の人や復興の支えになることは間違いない」とする。
前原氏は「片付けだけがボランティアではない。炊き出しもそうだし、お風呂のお湯を届けたり、最近はお茶会のような形式で傾聴やお話をすることもある。厳しい現状の所もあるが、すべてが危ない家屋ではない。安全な建物からの家財出しは手伝えるし、瓦を拾ったり、倒壊しかけているブロック塀の撤去もある。ゴールデンウィークはたくさんの人に来てもらいたい」という一方、「まだコーディネートが足りていない」と前述の課題をあげた。 桐本氏は「ボランティアに来ていただき、行政にはさらなる手厚い支援を求めたい」と訴えた。「まだ復興できていない中でも、なんとか能登にしがみついている人間は数千人いる。自分の生活がどうなるかというのは、震災とはまた違う、人口が減って能登が消滅してしまうのではという壮大な問題と向き合っている感覚がある。なんとか被災者で助け合うことについて、“共倒れするのではないか”と批判をSNS上でいただくことも多い。我々はこれを美学だとは思っていないし、とにかく必死に日々を生きている。もっと現状を知っていただきたい」。(『ABEMA Prime』より)