ハライチ・岩井さんの意外な素顔。「“芸人”がイメージされる仕事の大半が苦手だったのかも」
7月31日に最新エッセイ集を上梓した、お笑いコンビ・ハライチの岩井勇気さん。2019年、2021年に発売した「日常系エッセイ集」は、累計19万部を突破! 3冊目となる最新刊でも、何気ない日々を楽しみながらも、ふと抱いた違和感に牙を剥く“岩井節”は健在です。今回は岩井さんに、心境やこの数年での変化などお話を伺いました。 【写真】真剣なまなざしでインタビューに答える岩井さん
ハライチ・岩井さん。「仕事の幅はむしろ“狭まっている”」
――初のエッセイ『僕の人生には事件が起きない』(新潮社刊)が発売されてから約5年、前作からは3年ほど経ちました。この数年で帯番組のMCを始められるなど、仕事の幅も広がっているかと思いますが、ご自身の感覚としてはいかがでしょうか? 岩井勇気さん(以下、岩井):いや、じつは仕事の幅は広がっていないんですよ。むしろ、狭まってる(笑)。具体的には、ロケやひな壇番組への出演など、以前から苦手意識があるものはやらなくなりました。 たとえば、僕はテンションを無理やり上げて、ワーッと大声で話すのは好きじゃないんです。大勢の芸人さんが出る番組に出ても、僕だけ普通の声と普通のテンションでしゃべってしまうので、声がかき消されてしまう。 あと、食レポとかリアクションも苦手なので、ロケに行っても目立たなくて、必然的に呼ばれなくなってしまって。そう考えると、じつは「芸人」がイメージされる仕事の大半が苦手だったのかもしれませんね。 ――では、今は逆に得意分野に注力されているんでしょうか。 岩井:結果的に今やっているものは自分が苦手ではない仕事なので、そうなのかもしれませんね。
1日でケーキを1ホール食べきる「鉄の胃」の持ち主
――エッセイも最新刊『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』で3冊目ですよね。「函館まで新幹線に乗る」「三島の旅館に行く」など、原稿を書くためにさまざまな試みをされていますが、執筆への向き合い方などで変わった部分はありますか? 岩井:書くスピード自体は多少上がってますね。ただ、締め切り間近にならないと「原稿を書こう」という気持ちが湧いてこないのは、相変わらず。新幹線での執筆に関しては、「ぽかぽか」でもご一緒している伊集院光さんに、「函館まで新幹線で行くと、往復で8時間くらいかかるので、その乗車時間に原稿を書くのがいいよ」っておすすめされたのがきっかけです。 ――原稿を書くために新幹線に乗ったり、旅館に泊まってたりしたら、逆に赤字では…と心配になりました。 岩井:正直、赤字なんですよ。でも、伊集院さんに「やってきましたよ!」と言いたいがために、あえてやってみたところはありますね。切符を買いに行ったら満席で予定していた電車に乗れなかったり、次の新幹線まで1時間半近く待つ羽目になったりと散々でしたが、なんだかんだで新鮮な体験ができたのでよかったです。 ――エッセイには「食」を題材にしたものも多々ありますが、食へのこだわりは強い方ですか? 岩井:ルーティン的なものはまったくありません。ただ、ひとつのものにハマるとひたすら食べ続けてしまう傾向はありますね。とくに理由はないんですが、最近ハマッてるのは、6枚切り300円くらいのブドウパンです。今朝もブドウパン3枚くらい食べてきました。夕飯のあとであっても小腹が空いてたらブドウパンを数枚は食べてます。 ――あまり「大食い」のイメージはありませんが、日頃から結構たくさん食べるんですね。 岩井:僕、じつは鉄の胃の持ち主なんですよ。高校2年生くらいから食欲が変わっていない。先日も、僕の誕生日が近かったので、お祝いでケーキを1ホールもらったんですね。自宅に帰ってから夜にそのケーキを半分食べて、翌朝にその残りを食べて…。 24時間以内に1ホールを食べきっていました。もう、グルテン中毒なんですよ。グルテンフリーのこの時代に逆行する生き方をしていますね(笑)。