【漫画】亡くなった友人のために蘇生薬を発明 生き返るも、衝撃のひと言に3万人が「悩ましい」【作者インタビュー】
死生観について考えさせられる
友人の理依が亡くなったことを知らされた、主人公の椎菜。高校入学初日からずっと仲良くしてくれた理依は唯一無二の存在でした。彼女を救いたい一心で、独自の研究を重ねると、奇跡的に蘇生薬が完成します。お葬式の日、お棺を開け理依に薬を飲ませ、蘇生させることに成功します。後日、無事に生き返った理依と話をしていると予想外のことを言われて……? 【マンガ本編】亡くなった友人のために蘇生薬を発明 無事生き返るも、予想外の言葉が? なまくらげさん(@rawjellyfish)による創作マンガ『蘇生薬で友人を生き返らせた話』がX(旧:Twitter)上で公開されました。いいね数は3.7万を超えており、読者からは「薬で身体はどうにかできても精神的な蘇生はできなかったのか……」「死ぬ権利よりも死にたいと思わない世の中になればいいね」「深く、難しく、悩まされるお話ですね」などの声があがっています。 作者のなまくらげさんにお話を聞きました。 ーー今作『蘇生薬で友人を生き返らせた話』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。 もとより死生観まわりの話をよく描いているのですが、このひとつ前の作品で簡単に命を絶つことができる設定の話を描いていたこともあり、今度は簡単に生き返る設定の話を描いてみようと考えたのが本作です。「もし人を生き返らせることができたら?」「その人が実は生き返りたくなかったら?」……人はどこまで人の命を操作してよいのだろうという問いを形にしてみました。 ーーとても考えさせられるテーマでした。今作を描くうえでこだわった点や、お気に入りのシーンなどはありますか? 蘇生薬のように倫理観を一変させるようなアイテムは、正の側面はもちろん負の側面も発生するものなので、どちらの要素も取りこぼさないようその葛藤をなるべく表現するようにしました。その点、最後のシーンはひとつの折衷案のようなものを示せたのかなと気に入っています。
ーー今作で描かれている「生きる権利」や「死ぬ権利」などについて読者の方から多くの反響がありました。作品に込めた思いなどを教えて下さい。 個人的に、死について思考することで生に対する解像度が上がるという考えがありまして、本作でも死をある程度コントロールできる状態を仮定して、死生観について考えてみようという思いがありました。 「他人が死ぬのを止めてはいけない」と主張するつもりはないのですが、自分や誰かの死について本作をきっかけに少し違った視点から見ていただくきっかけになれば本望ですね。 ーーそのほかにも、たくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者のコメントはありましたか? 登場人物の名前や小物などにテーマに関連する要素を散りばめていたのですが、そこに気付いてくださった方が何人かいてうれしかったです。 また「蘇生を選択制にすると半ば自殺を許容することになる」「危険性度外視の手術が可能になる」など一歩進んだ視点からの感想があり、私としてもとても刺激になりました。 ーー今後はどのような創作活動をされる予定ですか? 基本的には今まで通り、趣味の範囲でマンガを続けていけたらと考えています。これからも楽しみながらいろいろなお話を描いていきたいですね。
マグミクス編集部