クラーケン、IPO前の資金調達検討か-投資家が問い合わせと関係者
(ブルームバーグ): 暗号資産(仮想通貨)交換業者クラーケンは資金調達を検討しており、上場を目指す同社にとって新規株式公開(IPO)前では最後の資金調達となる可能性がある。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。仮想通貨の上昇を受け、潜在的な投資家からの問い合わせがあるという。
クラーケンは1億ドル(約156億円)を超える資金調達を目指すだろうと関係者の1人は語った。仮想通貨は過去最高値付近で取引されており、デジタル資産に対する米規制当局の姿勢に変化が見られる中、この分野の企業に投資家から新たな関心が集まり、IPOの機運が再び高まっている。
株式取引アプリを運営する米ロビンフッド・マーケッツは6日、暗号資産交換業者ビットスタンプ買収を発表した。クラーケンは少なくとも2021年以降、IPOについて検討している。
クラーケンは、いわゆる「プレIPOラウンド」で資金を調達する公算が大きいと、2人の関係者は語った。
うち1人によれば、資金調達は年末までに完了する可能性がある。ペイワードを親会社とするクラーケンは11年にサンフランシスコで創業した。
発表文でクラーケンは、資金調達ラウンドやIPOについて具体的なコメントを避けながら、「常にクラーケンの使命である暗号資産の世界的な普及の加速に向け、戦略的な道を探っている。この目標に向けた投資に引き続き全面的に焦点を絞っている」と説明した。
同社は、取締役会に参加し来年にもIPOを成功裏に実施するため協力してくれる「大物」企業を探していると関係者は語った。これまでのところ、協議は正式に文書化された形ではなく、条件や評価額を巡る口頭でのやり取りだけだと関係者の1人は明らかにした。
数年前から株式公開の話を進めてきたクラーケンだが、仮想通貨の価格下落や米証券取引委員会(SEC)との対立により、実施は先送りとなっている。
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