救急搬送23%減 松阪市内の3基幹病院、入院なし7700円で
【松阪】救急医療を担う三重県松阪市内の3基幹病院が、救急搬送されながら入院に至らなかった軽症患者から選定療養費7700円の徴収を始めた6―8月の3カ月間の実績が25日、同市議会環境福祉委員会協議会で報告された。救急搬送件数は前年同期に比べ2割減少した。 松阪地区広域消防組合消防本部の救急出動が増え続け、令和5年は1万6180件に上り、2年連続で過去最高を更新した。選定療養費は、軽症者に対し救急車以外の選択を促し、救急医療体制を維持しようと導入した。徴収対象外として「入院に至った方」以外に「医師の判断による」を挙げている。 3病院は済生会松阪総合病院(朝日町一区)と松阪中央総合病院(川井町)、松阪市民病院(殿町)。 救急車で3病院に搬送された3749人のうち、入院しなかったのは54・8%(2056人)で、前年同期と比べ3・8%減少した。選定療養費を徴収したのは7・4%の278人だった。 救急搬送件数は3407件で前年同期比23・2%(1032件)減少した。そのうち軽症者は同6・5%の減少となった。「1日に50件以上救急出動があった日数」は同37日減の10日にとどまり、救急車の出動要請が重なる事態が減少した。 休日・夜間応急診療所の内科患者は同68・2%(403人)増の994人で激増した。救急相談ダイヤルの利用者も同42・8%(2390件)増の7969件へ大幅に増えた。 健康づくり課は「救急車の出動件数が減少し、持続可能な救急医療体制の整備に一定の寄与が確認できた」とまとめた。