センバツ2022 天理 勇気与えるプレーを 保護者会長・渡辺さん 後輩にエール /奈良
「選んでもらい、大変うれしい。甲子園で力を発揮してほしい」と天理のセンバツ出場を喜ぶのは硬式野球部の保護者会長の渡辺宏さん(49)。天理野球部OBで、夢舞台の切符を手に入れた選手たちを見守る。 渡辺さんが高3だった1990年、天理は夏の甲子園で2度目の日本一に輝いたが、自らはベンチ入りできず、スタンドで応援した。卒業後は天理大を経て大和ガス(大和高田市)に就職し、軟式野球部で活躍。97年に大和ガスを母体にクラブチーム「大和高田クラブ」が設立されると、エースに。社会人野球の都市対抗や日本選手権にもコーチとして帯同し、現在は五條市の五條リトルシニアのコーチをしている。 保護者会は部活動の消耗品の補給や名前入りグッズの作成などでチームを支える。2021年秋の公式戦は全試合、スタンドから声援を送った。「打線は隙(すき)が無く、全国レベル。エースの南澤(佑音(ゆうと))君も大会が進むにつれて頼もしくなった」と指摘する。 自身の高校時代について「甲子園の出場メンバーに入れなかったときは目の前が真っ暗になったが、仲間たちが日本一を取ってくれて、僕の努力も報われた気がした」と振り返る。そんな経験から「メンバーに入れない部員も含め、応援する人たちに勇気を与えるようなプレーを見せてほしい」と期待する。 コロナ禍でのセンバツに関しては「大会がどんな形になるか分からないが、甲子園という憧れの舞台に立てる喜びを、全力で表現してほしい」とエールを送る。【吉川雄飛】