時代錯誤すぎるフジテレビ「容姿いじり」問題 専門家が指摘する「炎上」の原因
当事者同士が成立していても、周りで見ている人間が......」
影山教授は、大学の自身の授業でこの「炎上」について取り上げた際、学生たちから 「当事者同士が成立していても、周りで見ている人間が、『これは不快だわ』とか『これはじいじりじゃなくていじめだ』と思ったらそれはアウト」 といった意見が出て、影山教授もこれに同意したという。今回の「炎上」について、「ましてやメディアの仕事としてYouTubeに公開してオープンにしているわけですから、(今回のフジテレビの一件は)大いに反省すべきことだと思います」とみる。 テレビ業界ではかつて、新人を成長させるために先輩があえて「いじる」ようなことはよくあったとする。しかし、現代はそれが当たり前ではなく、影山教授は今回の「炎上」の要因について、「80年代、90年代に当たり前だったことが今は当たり前じゃないという認識が、テレビ局内のスタッフに全く足りていない」と指摘した。
時代錯誤が分からない制作陣、CM中に油断する先輩アナ
そのうえで、影山教授はまず、動画を公開した作り手の責任に言及した。 今回のやり取りを公開したということは、作り手側がそれを「面白い」と捉えたからだと推測される。影山教授は、その感覚を「時代錯誤」だとし、さらに「時代錯誤という認識がない」とも指摘した。 次に影山教授は、先輩アナらの問題点についても言及する。 今回問題となったのは、本来であればオンエアされないCM中のやり取りだ。一方で、先輩アナらが上垣アナを褒めているのは、「放送後コメント」として公開を前提に撮影されたものだった。 影山教授は、先輩アナらはCM中、公開されるという意識がなく油断していた可能性があったとしつつ、そうであったとしても公開映像と落差のある発言は「演者として好ましくない」と指摘した。 また、「(先輩アナ)3人とも悪気はないと思います」としつつ、彼らのアナウンサーとしてのきれいな発音、アクセント、口調が、より「厳しくきつく」聞こえてしまったことも「炎上」の一因ではないかとも指摘。「自分の話す言葉がどのように響くのか。言葉の使い方をしっかり身に着けてほしい」と話した。