【日本市況】株安続く、衆院選後の政局不透明-リスクオフで債券高
岡三証券の内山大輔シニアストラテジストは、与党が過半数割れとなれば石破首相の影響力が弱まる可能性が高く、それが市場の不安をさらに高めていると述べた。
米カーライル・グループ傘下の理化学機器メーカー、リガク・ホールディングスが東京証券取引所プライム市場に25日上場、初値は1205円と公開価格1260円を約4%下回った。東京地下鉄(東京メトロ)が初日の取引を公開価格比45%高で終えたのとは対照的になった。
リガクHDの終値は1130円だった。
今期(2024年12月期)営業利益計画を従来の4650億円から4555億円に小幅に下方修正したキヤノンの株価は一時5%安になった。
債券
債券相場は上昇。長期金利は2週間ぶりの低水準を付けた。米国の長期金利が時間外取引で一段と低下したことに加えて、超長期債に水準感からの買いが入った。衆院選挙では与党の苦戦が伝えられており、政局の不安定化によるリスク回避や金融正常化の遅れを懸念する見方も相場を支えた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、超長期債は先週末から金利が大きく上昇していたため「値ごろ感の買いが入っている可能性がある」と指摘。衆院選については「どちらかというと政局の不安定化が警戒され、特に中長期ゾーンは金利低下イベントになる可能性がある」との見方を示した。
また鶴田氏は衆院選に対する警戒感から「ポジションをニュートラルに近づける調整的な動きが出ていてもおかしくない」と話した。
朝方発表された10月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は2カ月連続で伸びが縮小したが、相場への影響は限られた。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「とにかく選挙結果を見極めないと日銀の金融政策姿勢も判断できない」と述べた。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
東京外国為替市場の円相場は1ドル=151円台後半と前日ニューヨーク時間の終値からやや値上がりしている。米金利低下や衆院選挙を控えたポジション調整からドル売り・円買いが先行。その後は週末の衆院選後の政局を警戒した売りのほか、事業会社の決済が集中する五・十日(ごとおび)で実需のドル買いが重しとなり、下落に転じる場面もあった。