新型トヨタ クラウン・スポーツの新提案がスゴい!!! フェラーリへのリスペクトが生んだ驚きの1台に迫る
2025年1月10日から開催された「東京オートサロン2025」(千葉県・幕張メッセ)に、斬新なトヨタ「クラウン・スポーツ」があらわれた! 【写真を見る】新型クラウン・スポーツの新提案、爆誕の全貌はこちら!!!
どっちがどっちだかパッとわからない
東京オートサロン2025で、驚かされた1台が、AERO OVERが出品した新型クラウン・スポーツだ。なにしろ、クラウンのようでクラウンでない。スタイリッシュな車体は、イタリアのスポーツモデルを思わせるではないか! 「クラウンスポーツらしさを残しながらも、フェラーリ『プロサングエ』をリスペクトして細かい部分の造型にまでこだわって製作したボディキットです」 東京オートサロン2025の出展者紹介には、上記のように記されていた。黄色いエンブレムやホイールキャップをよく見ると“跳ね馬”でなく“王冠”をモチーフにした図案が描かれている。 AERO OVERのブースには、今回のクラウン・スポーツと、フェラーリ・プロサングエが並べて置かれていた。2台は近接していたので、プロポーション(クラウンスポーツは全長4720mmでホイールベース2770mm、対するプロサングエは4973mmで3018mm)の違いなど較べるのが難しかった。 部分ごとの雰囲気はけっこう近い。ノーズ、前後のフェンダーまわり、リヤ……と、じっくり見くらべないと、どっちがどっちだかパッとわからないほどだ。 「デザイン自体は比較的、難しくはないのですが、パネル製作に手間がかかりました」と、AERO OVERの担当者。 前提に自分が乗っているクラウン・スポーツを持ち込んでもよし、コンプリート状態での納車を前提にオーダーしても良いとのこと。すでにボディキットの価格も発表されていて、工賃などを含めると、おおよそ¥1,500,000かかる。 2台を並べてみて思ったのは、近いように見えるのは、クラウン・スポーツとプロサングエ、基本的な考え方が近いのかもしれない。実際、プロサングエ(22年発表)とクラウン・スポーツ(23年)は、ほぼ同時期に開発されていたことになる。 5ドアでスポーティなモデルを作りたい……というデザインの根本にある考えをつきつめた結果が、ちょっと近いプロポーションと、一部の造型になったのだろう。デザイナーの思考が、同時多発的というか、別の場所でも同じ次元にあることを示す。 AERO OVERのデザインは、クオリティの高い仕上げゆえ、そのポイントをうまくついているのだ。2020年代前半のスポーツモデルを代表する2台を共に入手し、車庫に並べておいたら面白そうだ。そんなふうに空想がふくらんだ。そこもよい。 AERO OVERでは注文を受けるのにも積極的だったので、この特別なクラウン・スポーツのオーナーになるのも一興だろう。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)