“マイナ論争”何のためのデジタル化?――現場の2大臣「解決にならぬ」と反対…首相「延期せず」表明へ 与党内「世の中を余計不安に」
日テレNEWS
岸田首相は4日の会見で、保険証の廃止時期について「今は延期しない」と表明する見通しです。現場の大臣らに反対されたことが背景にありますが、政権幹部は一時期「延期するしかない」と語っていました。混乱の背景や、国民の不安の行先を考えます。
■河野、加藤両大臣らが「延期反対」
有働由美子キャスター 「来年秋に廃止するという、今の健康保険証。自民党内からは『廃止時期を延期するのではないか』との声も出ていましたが、岸田首相は 4 日の会見で、『今は延期しない』との考えを表明するということです。なぜなのでしょうか?」 小栗泉・日本テレビ解説委員長 「まさにこの問題を現場で指揮している河野デジタル大臣や加藤厚生労働大臣らが、『延期しても問題の解決にならない』などとして反対したからです」
■首相の判断に「なぜこんなに時間が」
小栗委員長 「政権幹部は一時期、『延期するしかない』と話していました。その理由について、ある自民党幹部は『官邸が内閣支持率の低下などでビビって浮き足立った。目先の利益を考えて延期しようとした』と分析していました」 「結局、首相自身が『今は延期しない』と判断したわけですが、与党内からは『そんなことを決めるのに、どうしてこんなに時間がかかるのか。余計に世の中を不安にさせている』という声が上がっています」
■会見のポイントは…国民の2つの不安
有働キャスター 「その不安を、首相は4日会見して払拭できるのでしょうか?」 小栗委員長 「まさに、そこが勝負所ですよね。会見のポイントを整理すると、私たちの不安は大きく分けて2つあります」 「まずは、マイナンバーと個人情報のひも付けミスが相次いで起きたことです。これについて政府は、今総点検をしていて、秋までに結果をとりまとめることにしていますが、それで本当に改善されるのかどうか」 「もう1つは、マイナ保険証がないと保険診療が受けられなくなってしまうのでは、という不安が広がっていることです。これについて政府はこれまで、今の保険証を廃止した後も、1年間はいわば猶予期間として使えるようにする、としています」