日曜19時のバラエティー戦争 民放各局が勝負を賭ける理由とは?
民放テレビ各局が熾烈な視聴率争い繰り広げている日曜19時台。長らく、日本テレビの「ザ! 鉄腕! DASH!!」が頭ひとつ飛び抜けて独走状態だ。 昨年10月の改編期には、TBSが「クイズ☆スター名鑑」、フジテレビが「フルタチさん」、テレビ朝日が「日曜もアメトーーク!!」を新番組としてスタートさせたが、“鉄腕DASH”の牙城を崩せずにいる。それどころか「クイズ☆スター名鑑」にいたっては、放送7回で打ち切りとなる惨たんたる結果となった。 やや早い決断とも思えるが、日曜19時台は各局が力を入れなければならない事情があるという。 「日曜19時といえば、1週間で家族が1番揃っている時間帯。最近は自分の部屋で、ひとりでスマホをいじって過ごすのが当たり前になっていますが、食事をしながら、あるいは食後にテレビを家族で一緒に見ている家庭もまだまだあります。確実に幅広い世代が視聴している日曜のゴールデンタイムは、テレビ局にとってスポンサーの需要が高いため、価格設定も当然高く、広告収入的にはおいしい時間帯。だから各局、力を入れているのです」(テレビ誌編集者)
ターゲットを変えた番組作りに成功した日テレ
絶好調の日テレは、19時の“鉄腕DASH”を皮切りに、「世界の果てまでイッテQ!」、「行列のできる法律相談所」と、いずれも個性的なバラエティー番組が続けて放送され、高視聴率をキープしている。 まさに日曜夜は、日テレの天下という状況だ。 「日テレといえば、かつては読売ジャイアンツの野球中継で、ドル箱と呼ばれるほど高視聴率を誇っていた。巨人戦に限らず、ドラマやバラエティーも当時は50代の中高年がターゲットの中心でした。しかし、プロ野球人気の陰りとともに地上波の中継を大幅に削減。また、スポンサーもテレビに対して、若い年齢層に向けて購買意欲をかき立てるようなメディアという位置づけに変わったため、ターゲットの変更がなされた。それによって、各曜日のゴールデンタイムに家族で楽しめるバラエティー番組を増やしていき、結果成功している」(芸能評論家・市川大介氏) もちろん、ただバラエティー番組を増やせばいいというものでもない。そこには優秀な出演者とスタッフが必要不可欠であることは言うまでもない。