写真家・篠山紀信さんしのぶ会に400人出席 野田秀樹「恋愛の達人のような方でした」
1月に老衰のため死去した写真家、篠山紀信さん(享年83)をしのぶ会が故人の誕生日にあたる3日、東京・虎ノ門のオークラ東京で行われ、親交のあった劇作家で俳優の野田秀樹(68)、歌舞伎俳優の市川團十郎(46)ら約400人が出席した。 【写真】芸能生活40周年を記念した初カレンダーでビキニ姿を披露した宮崎美子。デビューのきっかけを作った篠山紀信氏が撮影 会場には故人が愛用していたカメラをはじめ、そのカメラを持った若かりし頃の写真やジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻の写真、手掛けた写真集・雑誌などが展示された。出席者は1970年から時代を撮り続けた紀信さんの歴史をたどった。 数々の舞台作品を撮影してもらった野田は、カフェがパソコン禁止だったため手書きで一発書きしたという弔辞を読み、「人をのせるのが上手で、のせた割には深追いしない。恋愛の達人のような方でした」と述懐。「きっと今頃、お釈迦様のそばに、背中を向けて近づいて油断させたところを、振り向きざまにシャッターを押しているのではないでしょうか。そしてそのお釈迦様の写真を、今度私に見せる時、『野田、お釈迦様って結構、普通なのよ』と言うに決まっています。そのお釈迦様のそばで一応、普通に、安らかに成仏していて下さい」とユーモアを交えてしのんだ。 17歳から約30年、紀信さんの撮影を見てきたという團十郎は「人の心に入り込んで、その人の才能を最大限に引き出して被写体を撮るという感覚、嗅覚。あれがカメラマンにとって一番大事なことなんじゃないかなということを先生を拝見していて思いました」と振り返った。そして「歌舞伎を素晴らしい写真に収めてくださいまして、本当に歌舞伎役者としてはこんなご恩はございません」と天国の巨匠に感謝していた。 しのぶ会ではほかにデザイナーのコシノジュンコさん(85)、女優の水沢アキ(69)がスピーチし、故人を悼んだ。