<高校野球速報>清宮の価値あるタイムリーで早実6-0の快勝!
第97回全国高校野球選手権の大会3日目が8日、甲子園球場で行われ、第一試合では注目のスーパー1年生、清宮幸太郎が「3番・一塁」で出場した早実が、今治西に6-0で快勝、2回戦へ駒を進めた。清宮は7回一死二塁から右前適時打。4-0とする貴重な追加点を叩き出した。エースの松本皓は7安打を許したが、抜群の制球力で要所を抑えて8回まで無失点、1年生の服部が最終回を締めて完封リレー。 まだ薄暗い時間から甲子園に人が集まりはじめた。6時台から阪神梅田駅が入場規制が始まり、午前7時台に満員札止め。47000人。超満員の人で甲子園が埋まった。ファンのお目当ては、もちろん、早実のスーパー1年生の清宮だ。 最初の打席は、一回一死二塁の先制のチャンスでめぐってきた。今治西の先発、藤原は183センチの長身から134、135キロのストレートを軸に、縦に大きく割れるカーブをミックスさせて勝負するタイプ。初球はカーブ。続くインサイドの134キロのストレートに清宮はバットを出したが、ファウル。タイミングは合っていない。どんづまりのファウルである。3球目は見逃せばボールとなる高めの135キロのストレートをフルスイングしたが、打球は、ファーストへのフライ。甲子園がため息に包まれた。 だが、早実打線は、清宮のワンマンチームではない。加藤が死球で出塁すると、5番の金子がカーブをうまくためて右中間を破る先制の2点三塁打。さらに富田の一塁ゴロをベースカバーに入った藤原が送球を落として1点を追加。早実は、立ち上がりに貴重な3点をスコアボールに刻みこんだ。 清宮の第二打席は、3回一死走者なしから、カーブが右足にあたって死球。 清宮にまたチャンスが回ってくる。2本のヒットで作った4回二死二、三塁の追加点機。ピッチャーは2番手のサイドハンド、杉内に代わっている。初球から打っていく。素晴らしい積極性だ。高めの、これもまたボール気味の120キロ台のストレート。打球音が響いたが、打球はセンターの定位置のフライ。「ここは格別の場所。暴れてやるという気持ちになった」。甲子園に足を踏み入れたとき、そう気合を入れていたが、その気持ちが力みにつながっているのか。どうもタイミングが合わない。 7回一死二塁でついに清宮のバットを火を噴く。ここまでノーヒットだが、積極性は消えていなかった。初球、外のストレートを叩く。凄まじい打球がライト前へ。待望の追加点だ。清宮のバットが発火点になったかのように、加藤もヒットで続き、二死二、三塁から富田にも一塁線を破る2点タイムリーが飛び出した。 8回に5度目の打席。二死一、二塁のチャンスだったが、外のストレートをひっかけてセカンドゴロ。結局、甲子園のデビュー戦は「4の1」の1打点。まずは合格点だろう。