高橋文哉と西野七瀬が初共演でW主演!馳星周の直木賞受賞作「少年と犬」が瀬々敬久監督のメガホンで映画化
「不夜城」や「漂流街」などノワール小説の旗手として数々の文学賞を受賞してきた馳星周が2020年に発表し、第163回直木三十五賞を受賞。累計発行部数45万部を突破するベストセラーとなっている短編連作小説「少年と犬」が、このたび高橋文哉と西野七瀬のダブル主演で映画化されることが決定した。 【写真を見る】“現代版「フランダースの犬」”と称された感動作に、オリジナル要素を加えて映画化 飼い主を亡くし岩手県釜石からさまよってきた一匹の犬“多聞”が、南の方角を目指して日本を縦断する旅路のなかで、様々な背景を抱えた人々と出会い、触れあっていく姿を描いた「少年と犬」。6つのエピソードからなった原作小説の複数エピソードに、オリジナル要素を加えての映画化となる。 震災から半年後の仙台。職を失った和正(高橋)は、飼い主を亡くした多聞と出会う。聡明な多聞は和正とその家族に懐き、一家にとってなくてはならない存在となるのだが、和正がある事件に巻き込まれた混乱のさなかに多聞は姿を消してしまう。時は流れ、多聞は滋賀で悲しい秘密を抱えた美羽(西野)のもとで過ごしていた。多聞と過ごすことで平和な日常を取り戻していく美羽の前に、多聞の後を追ってきた和正が現れ…。 メガホンをとるのは『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17)や『護られなかった者たちへ』(21)など、社会派ドラマから恋愛映画まで幅広いジャンルを手掛けてきた名匠、瀬々敬久監督。また、企画・プロデュースを『黄泉がえり』(02)などで知られる平野隆が務め、脚本は『ディア・ファミリー』(公開中)の林民夫が担当。『糸』(20)、『ラーゲリより愛を込めて』(22)で日本中を感動の渦に包んだチームが再結集を果たす。 これが初共演となる高橋と西野は、共に初めての瀬々監督作品への参加となる。すでに5月にクランクアップを迎え、現在鋭意編集作業中の『少年と犬』は2025年春に公開。続報に乞うご期待! <コメント> ●高橋文哉(中垣和正役) 「この作品のお話をいただけたことを本当にうれしく思いました。僕自身生まれた時から実家に犬がいて、犬と共に生きてきたと言っても過言ではないほど犬が大好きで、人生を一緒に過ごしてきた犬と映画を撮影できることを本当にうれしく思いました。多聞役のさくらと撮影前にコミュニケーションを取って撮影に挑んだのですが、わんちゃんにしか出せない生のお芝居、そこに中垣和正としてリアルに向き合う楽しさを感じることが出来ました。 瀬々組には初参加でしたが、瀬々監督のこだわりを持って繊細に描く人間模様に惚れ惚れしながら、ドキドキとワクワクを持ってお芝居することが出来ました。西野七瀬さんとは初共演でしたが、お芝居にすごく真っ直ぐな方で美羽と和正として共に向き合えたことを光栄に思います。多聞と出会い自分を見つめ直し自分の正義と向き合い、人生を模索する二人と一匹の織り成す掴みきれない空気を楽しみに公開までお待ちいただけたらうれしく思います!!」 ●西野七瀬(須貝美羽役) 「いままで経験したことがない感情になる場面が多く、想像しながら考え抜いたものを体現していくことに、日々楽しんで向き合っていました。瀬々敬久監督や高橋文哉さん、スタッフの皆さんと意見を交わしてパターンを試しながら撮影することもできました。ぜひ楽しみに待っていていただけたらと思います」 ●瀬々敬久(監督) 「犬の名前は多聞です。仏法の守護神の一つ、多聞天から来ています。馳星周さんが描いたこの不思議な物語を、『こんな悲しい話があります』とお坊さんが語る法話や、辻々で流浪の民が語った説教節のように、生きることの悲惨と喜びを伝える映画に出来ないか、そう思い挑みました。主演の高橋文哉さんと西野七瀬さんが、そのしなやかな感受性で物語を全身で受け止め、いまを生きる私たちの映画にしてくれました」 ●馳星周(原作) 「多聞は多くを聞くと書く。犬は人の言葉に耳を傾け、寄り添ってくれるのだ。犬に語りかけることで心を救われた者がどれほどいることだろう。犬は無条件の愛の手本として、神様が人間に遣わしてくれた生き物だと心から信じている。この映画を通じて多くの人がそのことに共感してくれることを切に願う」 ●平野隆(企画・プロデュース) 「『ラーゲリより愛を込めて』のスタッフを再結集して、前作と同様、観客の皆さまの魂に訴える作品を作りたいと思っていました。高橋文哉さん、西野七瀬さんにお願いしたのは2人が“愛おしさ”を多くの人々の印象に残せる役者さんだと思ったからです。そしてこの映画にはもうひとつの愛おしいものがあります。現在編集中ですが、スクリーンの上にお二人と多聞という名の犬が映る時、私は思わずスクリーンを抱きしめたくなります。何故タイトルが『少年と犬』なのか? それがこの原作の魅力であり、この映画の魅力であると思います」 文/久保田 和馬