教師の安易な「イイね!」が子どもの意欲を削ぐ
コトバ②
「はい」
プレーンなコトバで返す
子どもたちに「話してみよう」という意識で授業に参加させるためには、安心感が大切です。 何を話しても良い、という環境ですね。そのためには、「評価」と取られない「返し方」が必要になります。 そこで、「はい」。 子どもたちが考えを発表したり、書いたりしたときに、「はい」と返す。または、「そうですか」「了解!」という具合です。 これらの言葉は「プレーン」です。 そこに「良い」とか、「正解」のような「評価」は内包されていませんよね。「あなたの考えを受けとりました」という状態に留まる「返し方」です。誰にも、どのような意見にも平等です。だから「話してもいいかな」となる。 さて、ここで追加で書いておきたいのですが、いつもいつも「はい」という反応を返すというわけではないです。 全ての考えを認めてあげたい、賞賛してあげたい時には「素晴らしい」とか、「〇〇という意味なのだね。すごい」と一人ずつに返すこともあります。 あくまでも大切なのは「何を目的としているか」ということ。ねらいが大切です。 今回の場合は「どのような考えでも書いていい、話していい」という気持ちを抱かせ、その後の話し合いを活性化させるためです。 あと、言い方も大切。 「はい」と返す時も、笑顔で「そのような意見なのだね」という気持ちを込めて返します。表情も大きな伝達要素です。 今月のまとめ 「はい」という一言にも意味がある! 「目的」に合わせて言葉を考え、その後の子どもたちを輝かせよう! 「コトバのプロ」教師への道をひらけ! 森川 正樹 関西学院初等部教諭。授業で勝負する教師のためのセミナー「教師の詳細辞典セミナー」講師。国語科の「書くこと指導」「 言葉の指導」に力を注ぎ、「書きたくてたまらない子」を 育てる実践が、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、日本教育新聞などで取り上げられる。県内外で「国語科」「学級経営」などの教員研修、校内研修の講師、学生に向けたセミナー講師もつとめる。著書に『授業の質を上げる 超一流教師のすごいメモ』『どの子も書きまくる!作文指導アイデア』(いずれも明治図書)、教師のためのスケジュール帳『ティーチャーズ ログノート(』フォーラムA)の監修など多数。 *『月刊教員養成セミナー2024年7月号』 『教師力がアップする“教室コトバ”辞典』より 教師になったら即 “使える”コトバを毎月ご紹介。豊富な経験から生まれたコトバたちは心強い味方になってくれますよ。是非ご覧あれ!