郷土愛が大人を動かす 小学生考案のツアー実現 長野県飯田市上久堅
長野県飯田市上久堅で9日、地域振興を願う小学6年生9人がガイドを務める「上久堅ウオーキングツアー」(上久堅公民館主催)があった。33人が北田遺跡などの史跡を訪ねる2・6キロのコースを歩き、地域の魅力に触れた。 6年生はこの1年、「上久堅のためにできること」をテーマに、人口減少に歯止めをかける対策の一つとして観光振興策を研究。修学旅行先で長野県のイメージを聞き取る調査をしたり、神之峰やジタジタ峠といった歴史資源を紹介するコースの設定、パンフレット作りに励んだ。 2回の地域行事で取り組みを発表し、経年劣化した観光案内板の更新などを提案したところ、上久堅を思って行動する姿勢が地元の大人たちから高く評価され、「実際に歩いてみたい」という住民の声を受けて卒業直前のウオーキングツアーが実現。3コースのうち、インター見はらし広場―久堅神社―北田遺跡―塚穴古墳を巡るコースを歩いた。 6年生は「初めてなのでうまくいかないかもしれませんが、精いっぱいガイドを務めます」「上久堅の良さを伝えます」などと参加者にあいさつしてから、集合場所の公民館を出発。各ポイントで見どころを紹介した。 三遠南信道飯田上久堅・喬木富田インターチェンジの余剰地にこのほど完成したインター見はらし広場では、全員で眺望の良さを満喫。参加者は「上久堅に住んでいながら初めて来た」といった声が聞かれた。 上久堅地区まちづくり委員会の副会長で観光振興特別委員会の委員長を務める下平正美さん(73)は「小さいうちから地元に関心を持ち、かなり積極的に活動してくれていてうれしい。日常的に歩けるコースを考える上での参考にしたい」と話した。