【2024年ベストバイ】サカナクション 山口一郎が今年買って良かったモノ
Maison Margiela ヘビーコットン ダブルコート / ウール シルクコート
山口:今年、メゾン マルジェラの展覧会に行ったんですよ。 F:恵比寿で開催された「アーティザナル エキシビション 2024 東京」ですね。ジョン・ガリアーノが手掛けたメゾン マルジェラのアーティザナルコレクションを事後解剖した展覧会。無料とは思えないほど充実した内容でした。 山口:あれはすごかった。マルタンがいなくなってからのマルジェラって、どこかネガティブに捉えていたところもあったかと思うんです。でも、どういうコンテクストでデザインされて、どう作られているかを見れたことで、アトリエが持っている技術とか、ジョン・ガリアーノってやっぱりすごいんだなということが再確認できました。マルジェラはマルジェラなんだと、安心した部分もあります。 F:そんなマルジェラについては今年、手に入れたものはありましたか? 山口:ダントツで良かったのがアウター2着ですね。こちらのコットンの方は、4wayなんです。 F:一見すると、オーセンティックなヘビーコットンのアウターに見えますが...? 山口:まずリバーシブルで着ることができて、さらに裾のジッパーを開くとロング丈のコートになるので、全部で4パターン。これが良くできていて、性別や年齢を問わなそうじゃないですか? たぶんおじいちゃんになっても着られるなあ、と思って手に入れました。 F:そしてもう1着は、チェスターコートでしょうか。シルク混のバージンウールの素材が上質です。 山口:昔のマルジェラで、こういった形のコートがあって好きだったんですよね。そのリバイバルの雰囲気もあって。ポケットとかディテールはクラシックだけど、裾が切りっぱなしだったり。 F:袖口にはボタンが無くて、ボタンホールの位置を示す仕付け糸のみ。制作のプロセスを想起させる「ワーク・イン・プログレス」の手法ですね。少しオーバーサイズのシルエットも良い感じです。 山口:値段は全然可愛くないですけど(笑)。でも長く着て、くたくたになってきても良い味が出ると思うんですよね。そういう視点で、次に良かったのがMM6のアウターです。こうやって着ると、ちょっとオアシスっぽくないですか(笑)? F:再結成して話題になったオアシスですね。襟の立ち方とシルエットがリアム・ギャラガーを彷彿とさせます(笑)。それにしても今年のベストバイは、特にMM6が多い気がします。 山口:良いなと思うものが多くて。マルタン時代のマルジェラを彷彿とさせるというか、実際にそういった初期のマルジェラが好きな人が作っているんじゃないかな、という感じもするんですよね。