【医師解説】赤ら顔「毛細血管拡張症」の治療は何回通院が必要? 治療開始から完了までの流れは?
「毛細血管拡張症」とは、血管が透けて見え、肌に赤みが出ている状態のこと。自然に治癒することはありませんが、治療で症状を改善することは可能です。では、毛細血管拡張症の治療にはどれくらいの期間が必要なのでしょうか。治療開始から、症状が改善するまでの流れについて、新橋汐留 小林クリニックの小林先生にうかがいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
毛細血管拡張症とは?
編集部: 毛細血管拡張症とはなんですか? 小林先生: 毛細血管とは皮膚に存在する血管で、通常は周囲の環境に応じて拡張・収縮しています。たとえば、寒いときには収縮して末端に血液が流れないようにして、体温を維持する役目を担います。この毛細血管の機能が何らかの理由で障害され、血管が過度に拡張したままになってしまうことを、毛細血管拡張症といいます。 編集部: 毛細血管拡張症とは、病気を表す病名ですか。 小林先生: いいえ。病名ではなく、起こっている症状を表す名称です。 編集部: 毛細血管拡張症になると、どうなるのですか? 小林先生: 血管が拡張し、血流が増えることによって血管が皮膚の表面から透けて見えたり、皮膚に赤みを伴うようになったりします。 編集部: 毛細血管拡張症は、どの部分に起きるのですか? 小林先生: 鼻、頬、眉間などを中心に、顔に現れます。また、顔だけでなく下肢(足)などに出ることもあります。 編集部: どのように下肢に症状が出るのですか? 小林先生: 足の静脈がふくれ、こぶ状に浮き出て見えるようになった状態を「下肢静脈瘤」といいます。この下肢静脈瘤に伴って、毛細血管拡張症が出ることがあるのです。症状の現れ方によって、「網目状静脈瘤」や「クモの巣状静脈瘤」と呼ばれます。下肢静脈瘤に伴わず、単独で生じる場合もあります。 編集部: 毛細血管拡張症の原因はなんですか? 小林先生: さまざまな原因があり、例えば肝疾患などの「病気」に伴って生じることもありますが、多くは「病気」と無関係です。主に女性ホルモンが関係しているのではないかと考えられています。そのため、毛細血管拡張症を発症するのは女性が多く、特に、妊娠している女性に多く見られます。