長崎・ねずみ島で泳ぎ初め 5~79歳が参加 被爆80年、平和を願い水書
NPO法人長崎游泳協会(田中直英理事長)の年始恒例の寒中水泳が3日、長崎市小瀬戸町の皇后島(通称・ねずみ島)であり、会員の子どもら約50人が冬の海で泳ぎ初めをした。被爆80年の節目を迎え、立ち泳ぎしながら筆で文字を書く「水書」には、「祈平和」などとしたためた。 同協会は、児童生徒の水泳指導などを通して、江戸期から伝わる古式泳法「小堀流踏水術」を伝承。寒中水泳は、会員の稽古始めを兼ねて、かつて水泳教室を実施していたねずみ島で毎年開いている。 会員や瓊浦高水泳部の生徒ら5~79歳が参加。「水書」では会員が立ち泳ぎのまま器用に筆を走らせ、「祈平和被爆80周年」を一文字ずつ書いてみせた。浅岡泰彦教士(59)は、あおむけに浮いたまま文字を書く「浮身水書」を披露した。 この日は気温9度、水温14度。子どもたちは「冷たい」と悲鳴を上げたり、体を縮ませたりしながら元気に海に入り、「足撃」や「手繰游(たぐりおよぎ)」などの伝統的な泳法を実演した。市立西町小4年の山口暖斗(はると)さん(9)は「寒かった。今年もしっかり練習して泳ぎを上達したい」と目標を語った。