日本保守党・飯山陽氏、情勢調査で急伸の衝撃 百田尚樹氏は軽妙な応援で笑い誘う 東京15区、保守票の行方が焦点の1つ
9人が出馬して大乱戦の衆院東京15区(江東区)補選で17日午後、衝撃が走った。一部情勢調査で、日本保守党の飯山陽(あかり)氏(48)への支持が前回調査に比べて急激に上がったのだ。SNSでは連日、飯山氏や日本保守党の名前がトレンド入りしており、代名詞となった「魂の辻立ち」への反応もいいという。選挙戦を取材した。 【グラフィック】衆院3補欠選挙の主な構図 「ここで誰かが、いくら不利でも立ち上がって、『おかしい!』と言わないと、政治は変わらない」「私のような普通の人間が政治をやらない限り、いまの政治は正せない」 飯山氏は17日、街宣車の上からこう呼び掛けた。 この日は朝から5カ所で街頭演説を行ったが、妨害行為を警戒して、直前まで詳細な演説日程を公表しなかった。「ゲリラ街宣」にもかかわらず、区内のスーパー前で足を止めた100人近い人のなかからは、「頑張ってー!」との声も飛んだ。 ベストセラー作家で党代表の百田尚樹氏も亀戸天神前でマイクを握り、「(告示前は)公職選挙法があるんでなかなか申し上げられなかったけど、もう何を言っても構わない。『皆さん、1票ちょうだい!』」と軽妙な応援で笑いを誘った。 自民党が擁立を見送った同選挙区では、保守票がどの候補に流れるかが焦点の1つ。この日、飯山氏が下位から一気に上位に食い込んだという情勢調査が広まった。飯山陣営の関係者も「手を振ってくれる通行人も増えてきた」という。 演説を聞いていた江東区在住の30代男性は「(自民党議員の事件が続き)周囲も選挙には結構冷めている。でも、与党の候補者がいない分、保守派の主張には注目している」と話した。 飯山氏は16日のネット討論会で「政治とカネ」の問題の解決案として、「議員報酬を下げるべきだ」と提案した。これに対し、他の候補からは「真剣にやっている人ほど、議員はそれほどおいしい仕事ではない」などの否定的な反応もあった。 飯山氏は17日の演説でこのやり取りに触れ、「国民の感覚との乖離(かいり)に驚き、あきれた顔しかできなかった」と怒り心頭だった。 【東京15区立候補者】 (届け出順)